非定型うつ病ってどんな病気?-①

最近、なんとなく気持ちが沈んでいる。

イライラしているなど、心の健康に黄色信号がついている気がする人はいませんか?

次の質問にいくつあてはまるか、チェックしてみましょう。

①最近、以前より疲れやすくなった はい いいえ
②最近、一日中、眠くてたまらない はい いいえ
③一日10時間以上眠る日がたびたびある はい いいえ
②最近、一日中、眠くてたまらない はい いいえ
④甘いものが異様に食べたくなる はい いいえ
⑤手足に重りがついたように身体が重くだるい はい いいえ
⑥以前より体重が急激に増えた はい いいえ
⑦夜になると気分が落ち込む はい いいえ
⑧ささいなことで激しくイラつく はい いいえ
⑨一日で気分が激しく変動する はい いいえ
⑩嫌なことはできないが、好きなことはできる はい いいえ
⑪時々、どうしようもなく不安になる はい いいえ
⑫他人の言動に深く傷つき、引きこもったりする はい いいえ
⑬他人がうらやましく、自分がみじめに感じる はい いいえ
⑭自分のつらさを誰も分かってくれないと思う はい いいえ
⑮耐えられないほど孤独だ はい いいえ

 
「はい」が5つ以下……健康です
ブルーな気分になることは誰にでもあります。気にせず普段どおりのあなたでいてください。

「はい」が6~10……心の病予備軍
ストレスがたまっていませんか?適度に発散させて心の元気を保ちましょう。

「はい」が11以上……受診をすすめます
「非定型うつ病」にかかっている可能性があります。
うつ病に詳しい医師へ早めに受診してください。

「非定型うつ病」はこんな病気

自分の都合のいいことは、気分が軽くなりできる。

でも、いやなことだけやる気がおきない…。

周囲から、「気まぐれ」「わがまま」「怠け者」と誤解され、見過ごされている場合もありますが、潜在的な患者さんは多く、近年増加傾向にあると言われているのが「非定型うつ病」という心の病気です。

「非定型うつ病」の特徴は?

気分反応性

「非定型うつ病」の症状の最大の特徴は、状況によって元気になったり、落ち込んだりする「気分反応性」です。

定型うつ病(メランコリー型うつ病)は、一日中気分が落ち込み、それが2週間以上続きます。

一方、「非定型うつ病」は、一日中落ち込んでいるわけではなく、できごとに反応して気分がアップダウンします。

気分の浮き沈みはとても激しく、いやなことにはドッと落ち込み、無気力になったかと思えば、好きなことや嬉しいことには、うつ気分が晴れてスッキリします。

過眠・過食

過眠・過食は、気分が落ち込んだ時に合わせてよく起こると言われています。

寝すぎると睡眠と覚醒のリズムが乱れ、脳の働きも鈍るため、気分が憂うつになり、ますます「過眠」へと陥ります。

2日以上むちゃ食いをしてしまう状態が「過食」と言われ、甘いものを大量に食べたくなったりする人もいます。

体重が増加すると自己嫌悪に陥り、さらに憂うつに…という負のスパイラルに。

拒絶過敏症

他人の何気ない言動に過敏になって、激しく落ち込んだり、怒ったりします。

言った本人はそんなつもりはないのに、自分が批判された、無視されたなど、否定的に解釈してしまいます。

自分が傷つくことを恐れ、引きこもる場合もあります。

鉛様(なまりよう)疲労感

重労働をしたわけでもないのに、身体が鉛のように重く感じられ、立ち上がるのも苦労するほどの倦怠感に襲われます。

「手足に鉛がつまった感じ」と表現される独特な症状で、いやなことや不安を感じた時によく起こります。

検査では異常が見つからないため、「怠けている」「わざとやっている」「都合の悪いことを避けている」と叱責されることも。

不安・抑うつ発作

多くの場合、夕方から夜にかけて起こる病的な不安感・抑うつ発作。中には一日中、不安にとりつかれる人もいます。

「不安・抑うつ発作」は、不安や焦り、自己嫌悪などの気分を伴い、息切れや胸の不快感といった身体的症状も現れます。

怒り発作

以前は温厚な人だったのに、ちょっとしたことがきっかけでカッとなり、怒りを爆発させる、いわゆる「キレる」状態になる症状。

周囲の人も困惑しますが、本人も発作後は自己嫌悪に陥り、うつ状態を悪化させます。

フラッシュバック

過去のつらい出来事が突然思い出され、当時の悲しみや怒り、つらい感情がふくれあがり、コントロールできなくなる症状。

「非定型うつ病」のフラッシュバックは、本人にとってつらい体験ではあるものの、親に叱られた、失恋した、みんなの前で恥をかいたなどの、日常的な体験がほとんど。

「非定型うつ病」の人の中には、怒り発作や攻撃性が消えたあと、買い物依存症や恋愛依存になる人がいます。

こうした依存症は、うつや不安を紛らわそうとするもので、自分ではコントロールできません。

気づいたらカードローン地獄や自己破産、家族離散など深刻な事態を招くこともあるため、早い治療が求められます。

次回は、「非定型うつ病」にかかる原因、かかりやすい人の傾向を解説します。

 

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