繊細で真面目な人のメンタルケア講座 ~家族トラブル⑤ 老いと介護~
される側になるのも、する側になるのも心配。老いについて。
- 親子喧嘩、夫婦喧嘩がある。
- 家庭のトラブルが仕事に差し支えている。
- 家族とのコミュニケーションの仕方がわからない。
- 将来、介護が必要になってしまうのだろうか。
老いは人類の課題です。
介護は、される側になったらと考えても、老いを防ぐために何をしたらよいのか明確にわかる人は少ないのではないでしょうか。
また、身内に介護が必要になったら・・・と考えるのも億劫な問題もあります。
考えるほど不安になるけど、考えなくてはいけない問題で、しかし不安の解消方法は見つかりにくい・・・というのが現状。
かといって、いざ、となったときに調べても遅いこともほとんど。
どんな情報を持っておけばよいのでしょうか。
「老い」を一人で背負わない
ケアをする側になったら・・・と考えると、まず第一に大変そう、と思うのが正直なところ。
実際、介護職の需要は伸び続け、施設では空室待ちの状態が続いています。
さらに、在宅介護による介護疲れが事件へと発展したり、
介護職の現場でのストレスや勤務時間が問題となっていたり、社会問題としても取り上げられていますね。
介護をする側は、大きな責任、多くのストレスも背負います。
しかし、それを一人で背負い込んでしまい倍増してしまうのです。
誰かに頼るのは、無責任なことじゃない
よく、施設に預けてしまうのはかわいそう、と考えている人がいます。
しかし、施設というのは専門機関であり、在宅での介護よりも必要なケアを受けることができる場所です。
自分がやらないと、と一人で背負っていると、ストレスになるばかりか、状態にあった適切な支援ができないことも考えられます。
一緒に過ごした時間が長いのはもちろん家族のほうなので、罪悪感を感じるでしょうし、介護される側も嫌がったりストレスを感じたりするのは当然です。
それでも、自宅でのケアには限界があることは事実です。
自治体の窓口などへ相談し、説得してみましょう。
決して、施設を使うことは無責任なことではありません。
質の高いケア、状態に応じたケアができる場所なのです。
ケアする側にも休憩が必要
先に挙げたように、介護の現場でのストレスは社会問題にもなっています。
ストレスも疲労も、溜めていては爆発するのです。
専門職の現場でも爆発が起きているのですから、自宅での介護の場合でももちろんです。
自宅でのケアには限界があるのに、一人で背負ったり、つきっきりになってしまったりするのは爆発予備軍。
ケアをする側としては、ケアを必要としている人に満足してもらいたいために自己犠牲をしがち。
しかしそれでは確実に爆発してしまいます。
ケアをする側だって、充実した人生を送る権利を持っています。
息抜きをしたり、趣味に没頭したり、遊びに出かけたり、というのは、ケアをする側にとってもとても大切で、必要なこと。
自分がやらなきゃ、自分しかいないのだから、と思い込んでしまいがちですが、
日帰り施設、短期入所施設というのもあり、どれも状況に応じ利用を考えるべきなのです。
一人で背負いこんでいては必ず爆発してしまいますが、それを防ぐためにも公共の施設があるのです。
誰かに相談する、自治体に相談するなどのアクションからスタートして、ケアをされる側・する側両方の満足を考えていきましょう。
一人で背負ってはいけない
よく言われるのが、一人で背負い込んでいることがいけない、ということ。
パートナーや、両親、自分の子供たち、外部の施設を頼ってもよいのです。
一人でやらなきゃいけないとは誰が決めたのでしょうか。
ヘルプを求めなければ、誰も助けてくれません。
一人ではきつい、と感じたら、誰かにヘルプを求め、真剣に相談し、慎重に分量を決めましょう。
周囲もすぐには身動きがとれず、施設だって空室待ちが常。
限界だと感じ始めてからでは遅いので、早目にヘルプの声かけをしていけるとよいでしょう。
ケアをする側の限界を考える
疲労やストレスで眠れないとか、こちらまで身体がだるいとか、そういった状態を放置しておくと、自分自身もケアが必要になってしまいます。
それでは共倒れです。
こちらの不調も、本人の不調も、専門医である精神科医へ早めに相談しておきましょう。
また、一人で背負い込みがちな人こそ、仲間を見つけポジティブになれる機会が必要です。
同じように大変な思いをしている人とつながれる窓口が、自治体やネットで見つかります。
「私だけが」という苦しみから解放されることも時には大切で、アドバイスをもらえて前向きになれるというメリットもあります。
こちらが限界を迎えてしまうのが最もよくないことですので、自分に対するケアも重点的に考えましょう。