社会不安障害ってどんな病気?-①

人前での言動や、社交的な場での対人交流、または、人前にただいるだけで強い緊張と苦痛を感じ、こうした機会を回避し続けた結果、社会的に孤立してしまう……。

これが「社会不安障害」という病気です。

いつの時代にも、社会不安障害を抱える人々は存在してきましたが、「不安を強く感じるのは性格的な問題」「誰にでもある日常的な不安の一部」などと切り捨てられてきてしまった感があります。

しかし近年、「社会不安障害」が大きく注目され、「治療すべき疾患」という認識が高まりつつあります。

「社会不安障害」は、放っておけば治るというものではなく、不安や恐怖を感じる場面が増えていき、うつ病やパニック障害、アルコール依存症などを併発するおそれがあること、また、「ニート」や「引きこもり」など、社会不安障害の関連を指摘する声もあります。

「もしかしたら、自分も社会不安障害かも…?!」

そう感じることがあったら、次のチェックを試してみてください。

以下の設問に対して、「そのとおり」「自分もそうだ」と思えば〇
「そんなことはない」「自分とは違う」と思ったら× をつけてください。

① 他人の視線に恐怖を感じる。「見られている」感じがたまらなく嫌 ×
② 人前で話すのは平気。スピーチを頼まれたら喜んで引き受ける ×
③ 怒っている人を目の前にすると激しく動揺してしまう ×
④ ストレス発散の一つは友達とカラオケで歌うこと ×
⑤ 人前で字を書きたくない。ぶるぶると手が震えて恥ずかしい… ×
⑥ 電話での応対は全く苦にならない。我ながらそつなくこなしていると思う ×
⑦ 緊張すると汗がダラダラと止まらない。異常な発汗が悩みの種 ×
⑧ 人の集まりが大の苦手。何を話せばいいのか分からず、いつも浮いてしまう ×
⑨ すぐに顔が真っ赤になってしまう。止めようがなく悩んでいる ×
⑩ 初対面の人にも自分から積極的に話しかけ、打ち解けられるほう ×
⑪ レストランでの会食が苦手。ひどく緊張して食事が喉を通らなくなる ×
⑫ 自分の失態を忘れたり、不安をなくしたりするために、アルコールに頼りがち ×

 

計算してみよう
① ③ ⑤ ⑦ ⑧ ⑨ ⑪ ⑫ が、〇の時は、各1点(×なら0点)
② ④ ⑥ ⑩ が、×の時は、各1点(〇なら0点)

 

合計点で判定
12~7点
社会不安障害の疑いが濃厚です。
6~1点
苦手な状況が限られたものであっても、苦痛が大きく、その状況を避けるためにあらゆる努力をしているような状態なら、社会不安障害の疑いあり。
0点
社会不安障害の疑いはほとんどなし。

 

ワンポイント解説

① 『視線恐怖』は、「社会不安障害」の基本的な症状
② 『スピーチ恐怖』も非常に多い症状
③ 他人の攻撃的な態度に敏感なのは、「社会不安障害」の特徴
④ ストレスがたまっても、人前では歌など歌えない
⑤ 『書痙』とよばれる、「社会不安障害」の症状のひとつ
⑥ 「社会不安障害」の場合、電話応対が苦手ということがある
⑦ 異常に多い発汗は、人前で現れる困った身体症状のひとつ
⑧ 「社会不安障害」の症状が出やすい状況のひとつ
⑨ 『赤面恐怖』と呼ばれる。対人緊張が強いと起こりやすい
⑩ 「社会不安障害」の場合、こうはいかないことが多い
⑪ 『会食恐怖』と呼ばれる。「社会不安障害」の症状のひとつ
⑫ 「社会不安障害」とアルコール依存症には深い関係がある
 
次回は、「社会不安障害」の症状を解説します。

 

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