祝日プログラム「行動を駆り立てる『ドライバー』」

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今日は、自分の行動を駆り立て、行き過ぎれば苦しめることにも繋がる「ドライバー」の紹介をしていきます。

行動を駆り立てる「ドライバー」

自分の中に、「いつもついやってしまう」「こうしていないと、なんとなく不安」という行動パターンはありませんか?
もしかしたらそれは、小さい頃に作られた「ドライバー」の影響かもしれません。

「Drive」という言葉には「運転する」という意味のほか、「駆り立てる」や「追いやる」といった意味があります。
ドライバーとは、小さい頃に親の言動によって行動を駆り立てられ、それが自分の行動パターンとして定着したものを言います。

ドライバーの種類は、以下の5つに分けることができます。

1.完全であれ
2.喜ばせろ
3.努力せよ
4.強くあれ
5.急げ

これら5つのドライバーを見て、「良いことなのではないか」と思われたかもしれません。
確かに、いずれのいずれの要素もある程度は必要なものであると言えます。
しかし、ドライバーが問題となるのは、これらの要素が強く心を支配してしまい、極端な行動に結びついてしまうことなのです。

例えば「努力せよ」ですが、このドライバーに駆り立てられている人の中には、周囲が止めたとしても努力を止めることができず、寝る間も惜しんで働いた結果、身体を壊して働けなくなってしまった、といった人もいます。
必要なことは「ほどほど」を学ぶこと。
上記の要素はいずれも、ほどほどであればプラスに働くものの、ドライバーに駆り立てられて頑張りすぎてしまうことで己を苦しめることに繋がるのです。

自分が持つドライバーを知り、意識することができれば、頑張りすぎてしまっているときにブレーキをかけやすくなります。

5つのドライバーについて紹介していきます。

1.完全であれドライバー

「間違えてはいけない」「正しくなければいけない」といった考えが強いドライバーです。
間違えずに生きていかなければいけないと考えることがきっかけとなるため、例えば「しっかり勉強していい大学に入れ」と言われて育ったことなどから作られる場合もあります。

このドライバーを持つ人の特徴としては、例えば「3駅先で乗り換えだよ」「会社から200メートル先の交差点で待ち合わせよう」といったように普段から数字を使って正確性を重視することや、事前に準備した原稿の通りに話そうと意識することなどが挙げられます。

これらが悪いというわけではないのですが、明確に決めておくよりも曖昧にぼかして柔軟に行動したいと考える人も多いため、正確にすることに固執しすぎてしまうと対人関係で苦労してしまうことがあります。
また、原稿通りに話そうと意識することも、行き過ぎると柔軟性を失うために相手が本当に知りたいことに回答できず、かえって情報が正確に届かないこともあるのです。

2.喜ばせろドライバー

周囲の人を喜ばせなければいけない、という気持ちが強いドライバーです。
「人に迷惑をかけないようにしなさい」といった言葉から、他者を優先しなければいけないという考えが強くなって作られる場合があります。

ほめ言葉や感謝の言葉を多用するほか、「~だよね?」「~みたいな?」といった半疑問の語尾を使う傾向があります。
これは、自分の考えをはっきり言うことよりも相手の考えに合わせて反応を伺うことを重視するためと言えるでしょう。

もちろん、相手を喜ばせることは悪いことではありませんし、おのずと相手にも好意的な印象を持ってもらえるのではないかと思います。
しかし、このドライバーの問題点は、行き過ぎることで自分自身を蔑ろにしてしまうことです。
ほかの人のことを考え、優先するために、自分自身の考え方ややりたいことを犠牲にすることを続けていては自分の負担が大きくなってしまいますし、不満溜め込みすぎて爆発させてしまうことになるかもしれません。

3.努力せよドライバー

とにかく常に努力を続け、全力を尽くしていないと気が済まない、というドライバーです。
「成功するために努力を続けなさい」といった言葉から、だんだんと努力をし続けていなければ自分に自信を持てないようになっていってしまい、作られていくことがあります。

このドライバーを持つ人の特徴としては、何かを頼まれたときに内容を確認しないうちから「やってみます」と答えたり、「あの件はどうなりましたか?」と状況を聞かれただけなのにも関わらず、急かされているように感じて「すぐやります!」と答えてしまったりすることなどが挙げられます。

これについても、努力を重ねることは悪いことではないものの、行き過ぎると「疲れていない、余裕がある」状態に不安を感じるようになってしまいます。
そうなると、必要以上に自分を追い込んでしまう他、「自分は忙しい、大変だ」と過剰にアピールしているように周囲に見られてしまい、悪い印象を持たれてしまうこともあります。

4.強くあれドライバー

「弱い自分を見せてはいけない」という気持ちが強いドライバーです。
「勇気を出して自分の自己主張をするように」といった言葉から、周りに強い自分を見せなければいけないという気持ちが強くなっていき、作られることがあります。

このドライバーはの大きな特徴は、強くなろうとするのではなく、弱い自分を外に見せないようにすることです。
多いのは、自分の弱さから逃れるために、問題の責任を自分以外のものに求めることです。
意見が合わずにケンカになったとき、「お前が悪い!」と言ってしまうほか、「幸せになれないのは世の中がおかしいから」「給料が上がらないのは政治が悪いから」といったような考えを持っていたとしたら、個人の力ではどうしようもない大きな敵を作ることで、「それに抗っている自分は強い」と感じようとしているのかもしれません。

常に自分のことをすべて表に出さなければいけないということはありませんが、周囲に原因を求めていても、問題は解決しません。
また、「上から目線」に見えてしまいやすいため、人間関係にも悪影響を及ぼすかもしれません。

5.急げドライバー

いつも時間がないと感じ、とにかく急がないといけないという思いが強いのがこのドライバーです。
「テキパキと早く仕上げなさい」といった言葉から、何をするにしても早くしなければいけないという気持ちが強くなっていき作られることがあります。

日ごろから「時間が足りない」と感じていたり、漠然とした焦りに苛まれているという人は、もしかしたらこのドライバーを持っているかもしれません。
急いでいないと不安になるため、ほかの人から「ちょっと待ってください」とか「まだ早いですよ」なんて言われるとイライラする、といったこともあるかもしれません。
「ついつい早口で話してしまう」「相手が話し終わるのを待たずにこちらの意見を伝えてしまう」という人も、急げドライバーの影響を受けている可能性があります。

もちろん、必要もないのに時間をかけてしまうことも問題ですし、テキパキと仕事をこなすのは良い評価にもつながるでしょう。
しかしそれも行き過ぎてしまえば、普段から心が休まることがなくなり、無理に急かせば周囲の人たちもついてこれなくなってしまいます。