コミュニケーション「日本が海外に誇れる良いところ2点あげるなら?」/認知行動療法講座「5つのコラムの練習」
コミュニケーションプログラム
火曜日のコミュニケーションプログラムでは、主として「雑談」にフォーカスした練習を行います。
働いていく中で必要なコミュニケーション能力は、必ずしも業務上の会話だけというわけではありません。
雑談によってお互いのことを知っていき、関係を築いていくことで、働きやすい環境を整えていくことができるのです。
今回のテーマは「日本が海外に誇れる良いところ2点あげるなら?」です。
今回の皆さんの意見はこちらになります!
- 治安が良くて住みやすい。
- 食文化が美味しい。
- ものづくりが発展している。
- サブカルチャーが豊富。
日本の良さを皆さんプレゼンしてくれました!
今後は自身の良いところも面接でプレゼン出来ると良いですね!
認知行動療法講座
前回は、認知の歪みを用いて反証を探す方法について説明しました。
今回は、サンプルを使って実際に根拠と反証を探す練習をしていきます。
5つのコラムの練習
例:プロジェクトのミスを指摘された
さっそくですが、以下の例について考えてみましょう。
状況
同僚と共に任されたプロジェクトにミスがあり、上司に指摘されてしまった。
その翌日、同僚が飲みに誘われているのを見たが、自分は誘われていない。
気分
1)無力感 70%
2)自責感 70%
3)落ち込み 80%
自動思考
1)私はまたミスをしてしまった。どうして私は何をやってもだめなんだろう。
含まれる認知の歪み:極端な一般化,心のフィルター
2)同僚は上司に飲みに誘われたのに自分は誘われていない。自分は上司に嫌われてしまったのだ。
含まれる認知の歪み:結論の飛躍(心の読みすぎ)
3)同僚もミスをしていたが、大したものではなかった。しかし、自分は重大なミスを犯してしまった。自分は役に立たない人間なんだ。
含まれる認知の歪み:白黒思考,過大評価・過小評価,レッテル貼り
根拠
これらの自動思考が浮かんだ根拠となる事実を探してみます。
1)前にも一度、同じ仕事をしている最中にミスをしたことがある。
またミスをしてしまった、という部分については、実際に以前にもミスをしたことがあるため、根拠として挙げられました。
しかし、”何をやってもだめ”であることを証明できる根拠は見つかりません。
2)上司が自分の同僚を飲みに誘い、自分は誘われなかった。
自動思考の内容にもあることですが、同僚が誘われているのに対して自分が誘われていないというのは事実であり、根拠として挙げることができます。
一方で、”上司に嫌われている”ということを証明することはできません。
3)同僚との作業中にミスをしてしまった。
ミスをしてしまったことそのものは事実であり、こう考えてしまった根拠として挙げることができます。
しかし、同僚のミスは大したものではなく、自分のものは重大であるということや、役に立たないと考える根拠については見つかりませんでした。
反証
続いて、反証を探してみましょう。
1)このプロジェクトが始まる前は、問題なく仕事をこなし叱られたこともなかった。
1)新規プロジェクトに抜擢された。
自動思考に極端な一般化が含まれていたので、まずは例外を探してみましょう。
すると、プロジェクトが始まる前は、問題なく仕事をこなしていたことに思い当たりました。
失敗の反対は、何か特別な成功であると考えてしまいがちですが、実のところ、問題なく仕事をこなしているのであれば、それはすべてその仕事に成功しているということができます。
つまり、何をやってもだめ、という考えとは矛盾しているのです。
また、心のフィルターを取り外して良かったことを探していると、新規プロジェクトに抜擢されたということ自体が、一定の信頼を受けている証拠であるということに気が付きました。
2)上司からはミスの指摘を受けただけで、嫌われたとする根拠は無い。
上司がどう考えているのかは、上司自身にしかわかりません。
ミスの指摘は確かに受けたものの、それ以外で明確に嫌われていると判断できるような言動があったわけではありません。
自分が誘われていないことについても、例えば特定の趣味を共有している人だけに声をかけ、個人的に集まろうとしていたなどの可能性もあるのです。
3)ミスは双方の不注意で起こり、どちらが悪いというものでもない。
3)注意を受けたところ以外は上手くいったし進行ペースには問題がない。
3)ミスの分を差し引いても70点くらいの成果は出せている。
3)の自動思考には多くの認知の歪みが含まれていました。
このうち、白黒思考と過大評価・過小評価については、いずれも「点数化」が有効です。
自分は「役に立たない」というレッテル以外に目を向けて見ると、注意を受けたとはいえ、それ以外は上手く行っており、進行ペースにも問題が出ていないということに気が付きました。
そこで点数化を試みたところ、自己評価で70点程度はできているのではないかと考えることができました。
また同時に、同僚の仕事ぶりと自分の仕事ぶりに特別違う点数をつける根拠もないということに気が付き、特別自分のせいだったわけではないということが見えてきました。