土曜プログラム「不安への対処」
土曜プログラム
本日は、就労移行支援事業所 リスタートの土曜開所日です。
今日は、不安という感情に対しての対処法についての特別課題に挑戦してもらいました。
なぜ人は不安になるのか
人は、どうして不安な気持ちになるのでしょうか。
答えは単純明快で、何か”わからない”ことがあるからです。
この”わからない”ことは、大きく以下の3つにわけることができます。
・将来どうなるか結果が”わからない”
・目の前のことへの対処法が”わからない”
・相手がどう考えていて、どう反応するのかが”わからない”
これらわからないことについて考えだすと、人は簡単に不安な状態になってしまいます。
「明日の打ち合わせ、うまくいくかな?」
「仕事を引き継いだけど、どうやればいいんだろう?」
「ミスを報告したら、上司はどんな反応をするのかな?」
こういったことを考え出したら、あっというまに不安で仕方がなくなってしまうでしょう。
不安なときについやってしまう3つの行動
不安になったとき、ついついやってしまいがちな行動パターンが3つあります。
①不安にかられてやみくもに行動する
実のところ、”わからない”を完全になくすことはできません。
これから起こる未来のことを事前に知ることも、他者が本心で何を考えているのかを知ることも、超能力でも使わなければ不可能なのです。
それにもかかわらず、なんとかして不安をなくしたいと思った人は、過去の資料をいつまでも調べたり、他者に対して何度もしつこく確認したりといった行動を起こしてしまいます。
これらの行動は、一見すれば不安が無くなりそうに見えるかもしれませんが、実際にはいくら調べても100%の確証を得ることはできず、むしろ次から次に気になること、わからないことが出てきてますます混乱してしまうことでしょう。
②不安をなかったことにする
本当は不安な気持ちがあるけれど、それを見ないようにふたをして過ごします。
しかし、不安は放っておいても消えるものではありません。
最初は小さな不安でも、放置しているうちにどんどん大きくなってきて、最終的には見て見ぬふりもできなくなってしまうでしょう。
場合によっては早めに対処をしておかなかったためにより対処が難しい状況になってしまう場合もあるので注意が必要です。
③不安をどんどん膨らませる
不安なことについて考えていると、芋づる式に不安を膨らませてしまうことがあります。
例えば、「取引先の新しい担当者との顔合わせ、上手くいくかな?」という不安を持っていたとしましょう。
この時点ではちょっとした心配ですが、このことについて考えていると、
「担当者が苦手なタイプかもしれない」
「すごく神経質な人だったらどうしよう」
「すごく高圧的な人かもしれない」
などなど、不安の種はどんどん出てきます。
こうなってしまえば、不安感に圧倒されて、どんどん行動しづらくなってしまうでしょう。
不安に対処するには
不安に対処するためには、不安の原因となっている出来事に対処しなければなりません。
しかし、我々は目に見えないものや曖昧なものに対して具体的な対策をとることはできません。
そこで、自分の中にある目に見えない不安を可視化することから始める必要があります。
・あえて不安を口に出す
不安の原因は、”わからない”ことであると書きました。
それであれば、不安に思っていることを口に出して確認することで、”わからない”ことを確認するのは有効な方法になります。
例えば、プレゼンを行ったところ、相手の反応が微妙だったので「何がまずかったんだろう」と不安になったとします。
それなら、そのまま「ただいまの提案で気がかりな点は何かございましたか?」などと聞いてしまいましょう。
「ちょっと価格が……」「仕様が思っていたものと違って……」など、相手が微妙なリアクションの理由を説明してくれれば、あとはそれに合わせて対処をするだけ。モヤモヤとする必要もなくなります。
同じく、「新しく来た上司が何を考えているのかわからない」のが不安なのであれば、話しやすい同僚にそのことを伝えてみれば、事情を説明してくれたり、共感を得られたりするかもしれませんよ。
・”わからない”で一括りにせず、3つに分類して書き出す
不安を書き出すことで、可視化することができるだけでなく、文字にして見ることで距離を取り、状況を客観的に捉えやすくなります。
その際、分類しながら書き出していくことでぼんやりとしていた状況が明確になり、場合によってはそれだけで不安を落ち着けられる場合もあります。
以下の3カテゴリに分け、”わからない”ことを書き出してみましょう。
・明確にできること
・実はわかっていること
・本当にわからないこと