出張講座「不眠障害について」
本日は、麻布メンタルクリニックから黒岩 貴先生をお招きして、出張講座を開催しました!
本日の講座テーマは、「不眠障害について」
・夜なかなか寝付けない
・深夜や早朝に目が覚めてしまう
・一度目が覚めるとまた眠れない
・熟睡感がなく日中集中できない
など、不眠でお困りの方に向けて、お話しいただきました。
不眠症とは
不眠症とひと口に言っても、寝つきが悪くて中々寝付けないというタイプの他に、途中で目が覚めてしまう中途覚醒や、入眠はできるが早くに目が覚めてしまう早朝覚醒などのタイプがあります。
不安が強いと睡眠に影響が出るため、昼夜逆転してしまったら、「ヨーロッパ時間で生活しているだけだ」と考えるようにすることなどが、入眠の助けとなります。
睡眠と脳波
睡眠には、レム睡眠とノンレム睡眠があります。
レム睡眠とは、体は休んでいるが脳が起きている状態で、この間に夢を見ます。
ノンレム睡眠とは、体が起きているが脳が休んでいる状態を指します。
人の脳波には、
・活動しているときのβ波
・リラックスしてる時のα波
・うとうとしてるときのΘ波
・寝ている間のΔ派
などの種類があります。
脳波を意識することは、リラックスするために役立ちます。
体感神経と自律神経
体感神経には、中枢神経と末梢神経があります。
中枢神経には脳と脊髄が含まれ、司令を出す役割があります。
末梢神経には運動神経と感覚神経が含まれ、司令を受けることで働きます。
自律神経には、交感神経と副交感神経が含まれます。
これらには、血管を締める役割と緩める役割があり、それによって緊張状態とリラックス状態を切り替えています。
交感神経と副交感神経は自動で切り替わり、例えば危ないと気づいた瞬間に咄嗟に飛びのく、といったような動きができるのは自律神経のおかげと言えます。
上手く眠れないというのは、自律神経がうまく動かず、緊張状態から抜けられない状態であるといえます。
自律訓練法
目を閉じて、以下を意識してみてください。
・背景公式
気持ちがとても落ち着いている。
・第1公式
手足が重い。
・第2公式
手足が暖かい。
・第3公式
心臓が静かに打っている。
・第4公式
呼吸が楽になっている。
・第5公式
お腹が暖かい。
・第6公式
額が涼しい。
・消去法
手を開いたり閉じたりを繰り返す
自己暗示法
頭では何も考えないようにすると眠りやすいかもしれません。
と言っても難しいので、「今は難しいことを考えるときではない、明日にしよう」と考えてみましょう。
「眠りとは、眠るものではなく、眠りに落ちるもの」という考え方もあります。
では、自分から眠りに落ちるにはどうすれば良いのでしょうか。
眠りに落ちる時には、現実と夢との境目が曖昧になっていきます。
そこで、「ビーチで仰向けに寝ている自分」をイメージすると良い、と言われています。
そのような自分を想像し、「今は難しいことを考えるときではない」なんて考えていると眠りに落ちやすいのです。
また、ただビーチで寝ているだけでなく、誰かが布団をかけてくれるとか、家族が傍にいるとか、そういった想像をしてみても良いでしょう。
このような方法を、自己暗示法と呼びます。
必ず寝る方法
・寝ないこと
夕方に寝てしまったりなど、睡眠リズムが崩れてしまえば夜に眠るのは当然難しくなります。
次の入眠時間まで全く寝ないで過ごす、というのも時には有効な手段となるでしょう。