PC講座「ビジネス文書とは?① ~基礎編~」

PC講座「ビジネス文書とは?① ~基礎編~」

PC講座では各自の進度に合わせて学習をすることができます。

パソコン初心者の方は画面の見方、マウスの使い方、タイピングといった基本操作を学習。

慣れてきた方や経験者の方は、様々なソフトを使って実践問題。

自分のペースで慣れていきながら、確実にスキルを身に着けていくことができます。

今週は、先週のビジネスメールに続き、「ビジネス文書」についてみていきましょう!

1 ビジネス文書とはなにか?

『ビジネス文書』とは、文字通りビジネスの場で使われるさまざまな種類の文書を指した言葉です。

情報の伝達や意志確認のために作成し、正しく文書化することで、記録として無用な誤解やトラブルを避けることができる証拠として活用できたり、同じ内容を一度に多くの相手に、正確に伝達できるなどのメリットがあります。

そのため、LINEやチャットなどに見られる感情的な表現や、主観的な感想、過剰な修飾表現は避けなくてはなりません。

また、ビジネス文書には、ある程度決まった書き方の形式やルールがあるため、自由に書くのではなく、目的に応じたテンプレートを選択して端的な表現することが大切になります。

2 ビジネス文書には3つの種類がある

【1】社内文書
社内の人に向けて発信されるビジネス文書で、業務を円滑に行うため社内での伝達を確実に行うためのもの。
報告書、議事録、稟議書、計画書、申請書、など。

【2】社外文書
取引先や得意先など社外の人社外との取引を円滑に行うための文書。
社外に出す文書になるため、尊敬語や謙譲語により気を付ける必要があります。
見積書、請求書、契約書、依頼書、案内状、催促状、など。

【3】社交文書
仕事とは直接関係のない内容で、社外にむけてお祝いやお悔やみの気持ちを伝えるための文書。
社外文書と同様、社外に触れる文書となるため、敬語に気を付けて作成する必要があります。
挨拶状、お礼状、見舞状、招待状、など。

3 ビジネス文書の目的

【1】ビジネス情報を正確に伝える
会社の内外を問わず、ビジネス上の事実や事柄などの情報を、正確に、明瞭に、簡潔に伝えるということ。
文書で正しく伝えることで、情報を発信する側と受信する側が、同じ認識をもって仕事を進めることができます。

【2】読み手に行動を起こさせる
情報を発信することで、読み手に、書き手が期待する行動を起こさせるということ。
ビジネス文書とは読み手に対する提案文書であるとよく言われます。
つまり、単に伝達事項を正確に相手に伝えるだけの伝達文書ではなく、読み手の行動を変えることができるような提案書でなければならない、ということです。読み手が行動できる文書にしましょう。

【3】書き手と読み手をつなぐ
読み手を尊重する表現を用いたり、やりとりしたりすることそのものが、好感を生み、書き手と読み手との間に良い関係をつくっていくということ。
ビジネスを行っているのは人です。
適切な言葉づかいや、場合によっては、「連絡が遅くなり、申し訳ありません。」など一言添えることで、書き手に読み手の気持ちが伝わります。

【4】記録する
約束事や事実などを文字情報として記録・保存することで、信頼できる証拠とするということ。
口頭での情報は、時間の経過とともに忘れられ曖昧になってしまいますが、文書になっていれば、時間が経過しても正確な内容を確認することができます。
これら4つの目的が達成できれば、能率的な情報伝達ができ、組織が連携して仕事をスムーズにすることができます。

4 ビジネス文書作成の6つのポイント

【1】結論を先に書く
何の文書なのかひと目でわかるように、最初に結論を示し、詳細や結論に至った経緯は、そのあとで説明するようにしましょう。

【2】簡潔な文にする
ビジネス文書は、味わって読むものではありません。
仕事をスムーズに進めるために、読み手は短い時間で内容を理解したいと思っています。
一文をわかりやすく、短い文章にして、簡潔にまとめましょう。※1センテンスは、多くても50字以内

【3】曖昧な表現は避ける
例えば、
① 部品Aを300個くらい、弊社の取り扱い部門へ、8月中旬に送付してください。
② 部品Aを300個、弊社の製造部・吉野宛に、8月15日までに送付してください。

数量、送り先の固有名詞、納期が具体的に記載されているのは、 ですね。
書き手と読み手の間で、内容の理解を一致させるために、曖昧な表現や抽象的な表現は避けましょう。

【4】間違い、誤字脱字に注意する
口頭であっても、文書であっても、固有名詞、特に、会社名や人名の間違いは、相手に対して、礼を失することになります。間違いがないように気をつけましょう。
また、金額や数量などの数値、桁数、単位などの間違いは、問題を発生させます。
情報は正確に記載すること、また、間違い・誤字・脱字に十分注意しましょう。

【5】箇条書きを活用する
要素が複数ある場合、文章で伝えるよりも箇条書きにした方が視覚的に理解しやすく、要素を見失いにくくなるというメリットがあります。
例えばセミナーの案内をしたいのであれば、「日時」「場所」「タイトル」「セミナー内容」など箇条書きで並べると、書きながら抜け漏れがないか自分でも整理できます。
言いたいことの順番や伝えたい相手、最も重要な項目は何かなど頭の中を整理しながら書いていくようにしましょう。

【6】組織を理解して書く
あなたが作成したビジネス文書を、読み手は。あなた個人から発信されたものではなく、あなたが所属する会社やその部門から発信されたものだと認識します。
内容についても、あなた個人の決定や見解ではなく、会社および部門の決定や見解であると認識します。
ビジネス文書は会社・組織として発信するものなので、ビジネス文書を作成するときは、組織の一員として、組織における自分の役割や責任を考える必要があります。
また、自分が判断できる範囲はどこまでなのかを正しく認識しなければなりません。
ビジネス文書作成のポイントは、組織を理解して書くということ。つまり、組織での自分の役割や責任を理解した上で、権限や裁量の範囲を逸脱しないように作成します。

5 ビジネス文書の形式


① 文書の発信日
文書を発信する日の日付を右詰めで書きます。

② 受信対象者名
文書の受取人の会社名、部署名、職名、氏名の順に書きます。複数の社員に向けて発信する場合は「社員各位」と記載しましょう。

③ 文書の発信者名
発信者を所属名、氏名の順に書きます。会社名や所在地、電話番号やメールアドレスも追加すると親切です。

④ タイトル
中央寄せで、何についての文章かひと目でわかるタイトルにします。

⑤ 本文
まずは「拝啓」などの頭語、時候のあいさつを書きます。その後「さて」と用件に入り、簡潔に内容を記載します。最後に結びの挨拶文と、頭語に対応した結語(「拝啓」であれば「敬具」など)を記入します。

⑥ 記書き
箇条書きで要点を伝えます。相手に漏れがなく伝わりやすいです。
記書きの締めとして最後に必ず「以上」を入れます。

restart_banner