就活SST「選択理論の実践 ~娘がスマホに夢中で勉強してくれない~」

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選択理論の練習は今回で最後!サンプルのシチュエーションを、選択理論を使って考えてみましょう!

娘がスマホに夢中で勉強してくれない

Nさんには受験生の娘がいますが、スマホに夢中で全然勉強していません。

このままでは大学受験や娘の将来が心配なので、受験が終わるまでスマホをやめさせて、勉強に専念させたいと思っています。

どうしたらいいでしょうか?

なお、Nさんの考えや、周囲を取り巻く状況は以下の通りです。

・娘は現在1日6時間程度スマホに夢中になっており、勉強は1時間程度。スマホに向けている時間を勉強に使って欲しい。
・就職のことを考えて、良い大学に入ってほしい。娘にも、幸せになるためにはそこに入るべきだと何度も言っている。
・勉強をしていない姿を見ると、「スマホを解約するわよ」「将来後悔するからね」など声をかけている。
・今の状態は3ヶ月ほど続いており、関係が悪くなってしまってきているが、本当は「お母さんのところに生まれて良かった」「自分を信じてくれた」というように娘には思って欲しい。

ポイントは以下の3点です。
①:Nさんの満たされていない欲求を把握すること。
②:Nさんと娘の上質世界が同じなのかを考える。
③:コントロールできる行動、できない行動を考える。

選択理論で考える

ポイント①:Nさんの満たされていない欲求を把握する

Nさんの満たされていない欲求としては、以下の3つが挙げられそうです。

1.愛・所属の欲求

娘と考えが合わない状態が続き、関係が悪くなってきてしまっていることで、愛・所属の欲求が阻害されています。

2.力の欲求

自分が娘のために力を貸したい、娘の人生に貢献したいと考えているが満たせていません。

3.自由の欲求

娘の将来について、自分のこだわりで決めたいという思いがあり、満たされていません。

ポイント②:Nさんと娘の上質世界が同じなのかを考える

このように、自分の思いが伝わらないと感じる場面でまず考える必要があるのが、自分と相手の上質世界が一致しているのか、ということです。

上質世界とは、欲求を満たすために欲しいものや、経験したいことのことであり、一人一人違っています。

今回であれば、以下のようなすれ違いがあるのではないでしょうか。

Nさん:いい大学に入っていい会社に就職するべきである。
娘:入れる大学で良い。いい会社に入るのが望みとは限らない。

ポイント③:コントロールできる行動、できない行動を考える

これまで何度も繰り返してきたことですが、最後にもう一度だけ確認しておきましょう。

コントロールできることは、自分自身の、ここから先起こす行動。
コントロールできないことは、娘の考えや、これまでやってきたことです。

Nさんの新しい行動、考え

上質世界が異なっているため、相手のためを思って伝えていたのだとしても、自身の考えを強制する「外的コントロール」の行動となってしまっています。

ここで必要なことは、

・相手の望みや考えを確認し、考えのすり合わせを行うこと
・相手の行動を無理に変えさせるのではなく、受け入れること

の2点です。

そこで例えば、

1:時間を取って、娘が考えている将来像や希望する大学について確認する。
2:勉強していないことに対して否定の言葉を使うのではなく、信じている、応援していると伝わる言い方に変える。

などを意識してみるのが良いでしょう。

 

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