認知行動療法講座「アクションプランを建てて行動する」
認知行動療法講座
前回は、問題を解決するため、自分で行動を起こす準備について考えました。
今回は、実際に行動を起こす部分と、その後の振り返りについて重点的にお話します。
アクションプランを建てて行動する
前回のプログラムで、問題を解決するために、問題を明確化して、その解決法を決めるところまで話しました。
目標を決定し、障害を予測することができたら、アクションプラン(行動計画)を立ててみましょう。
アクションプランを使って行動することで、問題の解決を目指したり、コラム法で見つけた「適応的思考」を試したりすることができます。
アクションプランの作り方
アクションプランを作るときは、以下の内容が必要になります。
・行動目標と試したい考え
行動目標に関しては、前回問題を明確化する中で見つけた、現在の問題をどのように変えたいのか、を書き出します。
そのとき、同時に書き出す必要があるのが「試したい考え」です。
ここには、コラム法で見つけた適応的思考を書き出してください。
今から行う行動で、目標を達成することで、元々の自動思考よりも、適応的思考を信じることができるようになっていくことを目指しましょう。
・アクションプラン
中心となる、行動の計画そのものです。
ここが具体的であればあるほど実現しやすくなるので、じっくり考えて、できるだけ詳細に計画を建てましょう。
・開始予定時期
その計画をいつ始めるのか、というのも大事な要素です。
アクションプランを建てて行う行動は、「抵抗があること」「気が進まないこと」になります。
そのため、いつやるかが曖昧だと、「今でなくとも良い」とどんどんと先延ばしにしてしまいます。
他者の都合などにできるだけ影響されないよう、明確に決めておくようにしましょう。
・予測
実際に行動を起こすときに、どのような流れで何が起こるのか、事前に予測を立てておきましょう。
可能なら、イメージトレーニングの形で、一通りの流れを想像しておくのも有効です。
・予想される問題
当日、行動していく中で、起こり得る問題や障害となることを挙げておきます。
「なんとなく上手くいかなそう」では対策も立てれず不安が強くなるばかりですが、何が怖いのか、逆に実は問題ないことは何かなど、明確にしておくことで回避できます。
・問題が起こった時の対処法
予想される問題が実際に起きた時、どのように対処するかも合わせて考えておきましょう。
万が一の時に何をすればいいかが明確になっていれば、行動を起こすための不安を大きく減少させることができます。
・行動結果
ここからは、行動をした後で、実際にどんなことが起こったかを記入していきます。
行動が成功だったにしろ、失敗だったにしろ、できるだけ詳しく書いておくことが大切です。
・新しい考えの確信度
行動の結果、試していた適応的思考がどれくらい信じられるようになったのかを記入します。
いきなり100%信じられるようになるわけではないですが、元の自動思考に対して適応的思考への信頼度が上がってきていれば、十分上手くいっていると考えられます。
・この行動から学んだこと
最後に、行動によって新しく分かったことや、学んだことを書き出します。
新しく学んだことを元にして次の行動を選択していくことで、だんだんと問題の解決に近づいていくことができるでしょう。