お盆特別プログラム「コーピングレパートリー」
休日プログラム
リスタートは、現在お盆期間です。
お盆期間中は、毎日1つの特別プログラムを進めていきます。
2日目となる今日は、「コーピングレパートリー」です。
コーピングレパートリー
「コーピング」という言葉があります。
意味は「ストレスへの”意図的”な対処」であり、自分が抱える様々なストレスには、それぞれ違った適切な対処が必要になってきます。
コーピングの目的は、ストレスをゼロにすることではなく、自分が抱えるストレスに気が付き、適切に対処することで、「ストレスとうまく付き合う」ことにあります。
人により、ストレスとなる場面は違いますし、また同じ場面で抱えたストレスであっても、発散に繋がる方法は一人一人違います。
そこで、自分自身に合ったコーピングを見つけておくことが重要になります。
コーピングの効果とコスト
コーピングを考えるにあたって大事なことが、コーピングは「質」より「量」である、ということです。
その理由は、多くのコーピングを持つことによって、場面や効き目に合わせてコーピングを選べるということにあります。
例えば、「ポテトチップスを食べる」というコーピングしか持っていなければ、問題が起きる度にポテトチップスを食べて気分を晴らそうとすることになります。
始めのうちはそれでいいかもしれませんが、回数を重ねるごとに段々と満足できなくなり、また健康にも悪影響が出てしまうでしょう。
多くのコーピングを持つことによって、「あれがだめなら次はこれ」というように、様々な方法でストレスに対処ができるようになっていきます。
コーピングは、「自分を助ける」ことになるのであれば、立派なものである必要は全くありません。
「ボールペンの数を数える」「手を洗う」「大きく息を吐く」などなど、簡単にできそうなものであっても、それが気分の切り替えに役立つなら立派なコーピングです。
ただし、「コストパフォーマンス」には注意を払う必要があります。
例えば、「温泉旅行に行く」というのは、ストレス対処に大きな効果がありそうですが、資金や時間の面で大きなコストを必要とします。
こういった、”効果は大きいがコストも高い”コーピングは奥の手にしておいて、ローコストなコーピングを多く持っておくことをオススメします。
温泉が好きなら、「温泉旅館のパンフレットを眺める」「過去の温泉旅行の写真を眺める」「次に行く温泉旅行のプランを練る」といったコーピングであれば、ローコストで効果を得ることができそうです。
コストが大きすぎるコーピングとしては、「ヤケ酒」や「八つ当たり」が挙げられます。
適度な飲酒はコーピングとして役立つのですが、過度になってしまうと「お金」や「健康」を損なうほか、「人間関係」にも悪影響を及ぼす可能性があり、一時的に気が
晴れても、より大きなストレスを抱える原因になってしまうことがあります。
また、「八つ当たり」についても、物に当たって壊してしまえば「お金」のコストが大きいですし、人に当たってしまっては「人間関係」を壊してしまうでしょう。
コーピングの分類
問題と感情
コーピングは、2つの軸で分類することができます。
1つ目の軸は、働きかける”対象”で、これには「問題」と「感情」の2種類があります。
「問題」に焦点に当てたコーピングとは、ストレスを引き起こす原因を変えようとするものです。
例えば、新しく配属された職場が苦痛でストレスを受けているとするならば、「部署を変えてもらうよう頼む」「仕事量の調整について相談する」といったコーピングが挙げられます。
「感情」に焦点を当てたコーピングとは、「悲しみ」「怒り」「不安」といったストレスによって引き起こされた反応を緩和するためのものです。
「カラオケで歌う」「愚痴を聞いてもらう」「好きな音楽を聞く」など、気持ちの整理のために役に立つことであればなんでも構いません。
前者のコーピングしか持たなければ、小さなことや自分には変えることができないことまで問題にして解決しようとするために、自分自身が疲れてしまったり、周囲の人から白い目で見られてしまったりすることがあります。
一方、後者のコーピングしか持たなければ、いつまで経っても環境の改善がされないので、いつまでもストレスを抱え続けることになってしまいます。
これら2種類のコーピングは、どちらかだけを持つのではなく、バランス良く持ち、選択できるようにすることが大切です
認知と行動
2つ目の軸はコーピングの”方法”で、これには「認知」と「行動」の2種類があります。
「認知」に焦点を当てたコーピングとは、頭の中でイメージしたり考えたりするものです。
例えば、心配事があったときに「考えていても仕方ない!」と気持ちを切り替えたり、誰かの行動に腹を立てたときに、「悪意があってやったわけではないのかもしれない」と考え直したりする、といったコーピングが挙げられます。
「行動」に焦点を当てたコーピングは、「身体を動かす」「音楽を聞く」「カラオケに行く」など、実際の行動を伴っているもの全般です。
また、「大声で怒鳴ってみる」「思いっきり泣いてしまう」といった方法も、「行動」のコーピングに含まれます。
意図せずこれらの感情が浮かんでくるのはストレスによる反応ですが、例えばトイレの個室で涙を流して泣いてみることで気分がすっきりする、というように、意図的に感情を表現することがコーピングとなる場合もあるのです。
「認知」と「行動」のどちらが優れているとは一概に言えませんが、様々な場面に対処するために、どちらのコーピングも使えるようにしておくことをおすすめします。