認知行動療法講座「スキーマを変える練習」
認知行動療法講座
前回は、スキーマを変えていく方法について考えました。
今回は、実際にスキーマを変える練習をしてみます。
スキーマを変える練習
前回のプログラムで、スキーマを変える方法として5つのステップを紹介しました。
その中から3つに絞り、以下のポイントからスキーマを変える練習をしてみましょう。
① 「非現実的な部分」や「明確な基準がない決めつけ」が含まれていないか
② 過去の経験の中にスキーマと矛盾することはないか
③ そのスキーマが持つメリットは何か? デメリットは何か?
例1:「人はみんな私を攻撃し、虐待してくる」
② 攻撃してこない人もいた。
③ メリット:自分の身を守ることができる。
デメリット:誰のことも信用できない
新しいスキーマ:時には自分を攻撃してくる人もいるかもしれず、誰にでも心を開くことは難しいが、信頼できる人もおり、人を頼るのは悪いことではない。
例2:「人の役に立たない自分には価値がない」
① どれくらい役に立っていれば価値が生まれるのか。
誰かのために行動していない間はみんな無価値なのか。
③ メリット:人に感謝され印象が良い。誰かの役に立っている間は自分に自信が持てる。
デメリット:コントロールできない他者の評価が得られなければ、苦しい思いをする。
新しいスキーマ:人の役に立つのは良いことだが、自分の価値は他者の評価によって決まるものではない。自分は自分のために生きて良い。