心因性疼痛とは?~この痛み、わかってくれますか?~
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第76回 教えてリス太くん
でも自分の痛みを人に解って貰うのって難しいよね?
でも自分の痛みを人に解って貰うのって難しいよね?
だけど中には「生命活動に必要ではない痛み」があるんだ。
「痛み」そのものが“病気”で治療が必要なんだよ。
原因となる組織的な病変が見つからない・・・。
病院に行っても「様子をみましょう」とか、「なんでもない」なんて言われてしまったら辛いね。
心因性疼痛は、体に傷や炎症などがなく、社会生活で受けるストレスや日々抱えている不安といった、心理的な要素が原因となって発生する痛みです。
ストレスが痛みの原因になるとはなかなか想像がつかないかもしれませんが、近年ではストレスが原因の疼痛が多く見られます。
このシステムを下行性疼痛抑制系といって、普段の生活で疲労性の痛みが発生した時に、これをブロックして痛みを和らげてくれるんだよ。
なんらかの原因で発生した痛みが長く続いた場合、痛み自体がストレスになりがちで、このストレスが心因性の疼痛を引き起こすことがあるんだ。
痛みを抑えるシステムである「下行性疼痛抑制系」がうまく働かなくなる事があると、そもそも発生していた痛みをより強く感じてしまうことがあるんだ。
ストレスの蓄積や不安のある状態が続くと体の様々な機能をコントロールする自律神経のバランスの崩れ、痛みを感じるセンサーが強く働くようになり、少しの症状でも実際以上に強い痛みを感じるようになるんだ。
うつ病を患っている人が、その症状の一つとして、慢性疼痛を訴える症例も多いのです。
痛みが慢性的に続くと、気分が落ち込んできて、何も手に付かなくなることがあり、痛みがうつ症状をもたらします。
うつ病は脳の神経間で、情報のやり取りがうまくいかなくなることでうつ症状をもたらす状態ですが、痛みに関しての感受性が高まり、痛みの感じ方がいっそう強くなる傾向があります。
慢性頭痛、慢性腰痛、顔面痛(広く、痛み方に規則性がなくはっきりした原因のわからないのが特徴)などが代表的なものです。
この慢性ストレスが環境―心―神経系―肉体との関係ルートを病的に条件付けしてしまい、無意識に身体を緊張させ、様々症状を引き起こす本質的な原因になります。
今や肉体に生じる症状の80%は精神的ストレスが原因として絡んでいるということが、研究、文献などで明らかになっているそうです。
痛みの治療として抗うつ薬が有効であることは、多くの臨床研究からすでに実証されています。
慢性の心因性疼痛では、多くの場合、苦痛や不快感を軽減し、
身体的および心理的な機能を改善することが治療の目標になります。
薬物療法、または薬剤以外の治療法としてバイオフィードバック法、リラクセーション訓練、
注意転換法、催眠療法、経皮的電気神経刺激法(TENS)、理学療法などが用いられることが
あります。多くの場合、心理カウンセリングも必要です。
昨今、痛みの原因は「ストレス」であり、心因性疼痛症候群という言葉も
広く知られるようになってきました。
疼痛の原因をしっかりと理解し、専門家と一緒に治療を進めていくことが大切です。
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