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パーソナリティ障害⑧~治療法Part2~

 

第76回 教えてリス太くん

痛みを感じることで身体に何らかの異常や異変が生じていることに気づくでしょ?
でも自分の痛みを人に解って貰うのって難しいよね?
 
 
そうだね。「痛みなんて気のものだ!」と言う人がいるけど本当にそうなのかな?
痛みを感じることで身体に何らかの異常や異変が生じていることに気づくでしょ?
でも自分の痛みを人に解って貰うのって難しいよね?
 

 
バイタルサインの一つで体温、呼吸、脈拍(心拍)、血圧、痛覚(痛み)は、私たちの身体や命を守る、生命活動に欠かせない役割なんだ。
だけど中には「生命活動に必要ではない痛み」があるんだ。

何のこと?
 

 
必要以上に長く続く痛みや、原因がわからない痛みは、大きなストレスになったり、不眠やうつ病などほかの病気を引き起こすきっかけにもなるんだ。だけど中には「生命活動に必要ではない痛み」があるんだ。
「痛み」そのものが“病気”で治療が必要なんだよ。

そもそも痛みってなんなの?
 

 
国際疼痛学会の定義(1987年)によると、痛みとは、「実質的または潜在的な組織損傷に結びつく、あるいはこのような損傷を表わす言葉を使って述べられる不快な感覚・情動体験」と言われているんだ。

自分にとっては痛いのにいくら検査をしても異常が見つからない・・・、
原因となる組織的な病変が見つからない・・・。
病院に行っても「様子をみましょう」とか、「なんでもない」なんて言われてしまったら辛いね。
 

 
そのようなときに疑われるのが、精神的なストレスなどが原因で引き起こされる「心因性疼痛」と呼ばれるんだ。

そもそも痛みってなんなの?
 

心因性疼痛は、体に傷や炎症などがなく、社会生活で受けるストレスや日々抱えている不安といった、心理的な要素が原因となって発生する痛みです。
ストレスが痛みの原因になるとはなかなか想像がつかないかもしれませんが、近年ではストレスが原因の疼痛が多く見られます。

 
痛みの信号は神経を伝って脳に伝わるけれど、人間の脳にはこの痛みの信号を抑制するシステムが備わっているんだ。
このシステムを下行性疼痛抑制系といって、普段の生活で疲労性の痛みが発生した時に、これをブロックして痛みを和らげてくれるんだよ。

 
健康な人は、このシステムが正常に機能してくれているおかげで小さな痛みは感じずに済み、ある程度大きな痛みでも生活に支障がない程度に抑えられるけど。
なんらかの原因で発生した痛みが長く続いた場合、痛み自体がストレスになりがちで、このストレスが心因性の疼痛を引き起こすことがあるんだ。
痛みを抑えるシステムである「下行性疼痛抑制系」がうまく働かなくなる事があると、そもそも発生していた痛みをより強く感じてしまうことがあるんだ。

それはなぜ起きるの?
 

 
心因性の慢性疼痛の原因は、不安や怒りなどの無意識の心理状態が、これと向き合うことを避けるために身体の特定部位に虚血状態を生じ、疼痛を引き起こしているからと言われているんだ。

 
強いストレスや慢性的ストレスの蓄積は自律神経や内分泌系、免疫系に不調をきたし、痛みが生じるんだ。
ストレスの蓄積や不安のある状態が続くと体の様々な機能をコントロールする自律神経のバランスの崩れ、痛みを感じるセンサーが強く働くようになり、少しの症状でも実際以上に強い痛みを感じるようになるんだ。

痛みに意識を集中したり必要以上に恐れるほど、より痛みを感じやすくなるんだね。
 

 
痛みが持続する期間が長ければ長いほど、痛み自体が心理的なストレスになって精神的に不安定になってしまうよね。

そうして発生した痛みが更なるストレスとなり、痛みをより強く感じるようになるんだね。
 

 
痛みを訴える人の大多数は、身体的な原因が特定されていなくても、実際に痛みを感じているんだよ。

どんな人がなり易いの?
 

 
自律神経が不安やストレスなど、心に大きな問題を抱えている人ほど、この作用が強まる傾向があるんだ。

痛みのために活動する気がおきず、家にこもりがちになったら、ますます痛みにばかり気持ちが向いてしまうといった悪循環に陥ってしまうね。
 

 
その結果、痛みだけではなく、うつ的な状態になるなど、症状が悪化することがあるんだ。

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うつ病を患っている人が、その症状の一つとして、慢性疼痛を訴える症例も多いのです。
痛みが慢性的に続くと、気分が落ち込んできて、何も手に付かなくなることがあり、痛みがうつ症状をもたらします。
うつ病は脳の神経間で、情報のやり取りがうまくいかなくなることでうつ症状をもたらす状態ですが、痛みに関しての感受性が高まり、痛みの感じ方がいっそう強くなる傾向があります。

慢性頭痛、慢性腰痛、顔面痛(広く、痛み方に規則性がなくはっきりした原因のわからないのが特徴)などが代表的なものです。
この慢性ストレスが環境―心―神経系―肉体との関係ルートを病的に条件付けしてしまい、無意識に身体を緊張させ、様々症状を引き起こす本質的な原因になります。
今や肉体に生じる症状の80%は精神的ストレスが原因として絡んでいるということが、研究、文献などで明らかになっているそうです。

痛みの治療として抗うつ薬が有効であることは、多くの臨床研究からすでに実証されています。

慢性の心因性疼痛では、多くの場合、苦痛や不快感を軽減し、

身体的および心理的な機能を改善することが治療の目標になります。

薬物療法、または薬剤以外の治療法としてバイオフィードバック法、リラクセーション訓練、

注意転換法、催眠療法、経皮的電気神経刺激法(TENS)、理学療法などが用いられることが

あります。多くの場合、心理カウンセリングも必要です。

昨今、痛みの原因は「ストレス」であり、心因性疼痛症候群という言葉も

広く知られるようになってきました。

疼痛の原因をしっかりと理解し、専門家と一緒に治療を進めていくことが大切です。




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