退職する時には③~失業保険受給の条件~
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第99回 教えて!リス太くん
退職した後は、次の就職先を探す必要があるんだけど、
その間に給付金が貰える制度があるんだ。
失業保険とは
失業保険とは、それまで働いていた人が自分から仕事を辞めた時、
あるいは解雇や倒産などの理由で職を失った際に、次の仕事に就くまでの
期間を保障するための公的保障です。
一般的に「失業保険」と呼ばれていますが、実はこれは公的に使われている言葉ではありません。
「失業保険」と呼ばれている制度は、「雇用保険」の一部である「基本手当」のことを指しています。
ハローワークや行政ではこの「基本手当」のことを「失業給付」と呼んでいるのですが、
失業した時に受け取ることができるお金=「失業保険」として世間一般に定着してしまっているので、
「失業保険」も正しい呼称として扱われており、この呼び方をしても問題はありません。
失業保険はあくまで「新しい就職先が見つかるまでの保証」であるため、
「就職の意志」や「就職するための能力」があり、
就職活動を行っているが就職に結びつかない状態でなければ受け取ることができません。
また、失業保険は「保険」なので、雇用保険料を払っていなければ受け取れません。
そのため、雇用保険料が未納だった人だけでなく、無職の人なども失業保険でお金が貰うことはできません。
失業保険を貰うための条件について、もう少し詳しく見て行きましょう。
失業保険を受け取るためには
失業保険を受給するためには、最寄りのハローワークで求職の申し込みと
失業保険受給の手続きをする必要があります。
しかし、退職した人であれば誰でも貰えるわけではなく、2つの条件を満たしている必要があります
条件①雇用保険の被保険者期間が必要とされる分を満たしていること
失業保険は雇用保険料を払っていなければ受給できないと説明しましたが、
さらに、雇用保険へ一定期間以上加入し続けていなければいけません。
自己都合による退職か、会社都合や倒産による退職かによってその期間は異なります。
自己都合退職
自己都合退職の場合であれば、離職の日より2年前までの間で12ヵ月以上
被保険者期間がなければいけません。
会社都合・倒産
会社都合による退職の場合、および倒産による失業であれば、
離職の日より1年前までの間で6ヵ月以上の被保険者期間が必要です。
どちらにおいても、被保険者期間としてカウントすることができる月にも条件があります。
離職日から1ヵ月ごとに遡り、賃金が支払われる対象となっている日が
11日以上ない月は、カウントには含まれません。
被保険者期間の月数は、離職票を使って数えられます。
赤枠で囲まれた部分が11日以上の月がカウントできます(クリックで拡大します)
出典:ハローワーク(https://www.hellowork.go.jp/insurance/insurance_procedure.html)
転職している場合であっても、以前の雇用保険から次の雇用保険までの間が
1年以上開いていなければ引き継ぐことができます。
また、転職後に離職していた場合であっても、前職と合わせて計算することができ、
それによって被保険者期間を満たしていれば失業保険の受給は可能になります。
なお、一度失業保険を受給したら被保険者期間はリセットされるので注意してください。
失業保険を受験せずに転職した場合に限り期間を引き継ぐことができます。
条件②:積極的に就職したいという明確な意思があること
「就職するための能力がある」ということと、
「就職したいという意思を持っている」ことが重要になります。
就職の意思があり、求職活動を行っているにも関わらず
仕事に結びつかない状態であることが、失業保険を受け取るための条件となります。
「家事に専念したい」「パートやアルバイトをしている」「すでに次の就職先が決まっている」
「自営業を始めたい」などの場合では、
積極的に就職したいという明確な意思がないとみなされる可能性があります。
次回は、失業保険の支給期間について見て行くよ!