1月16日 砂漠で遭難したら?
読解
高齢者見守り 外出先でも
セコムは2017年夏から、リストバンド型の端末を使って
高齢者の見守りと健康管理を支援するサービスを始めるそうです。
外出先などで突然意識を失って倒れた場合、端末が異常を検知してセコムに自動通知します。
すると、警備員が現場に駆けつけるという仕組みです。
このリストバンドを通じて、安心・安全に関わる機能・サービスを順次追加していくとのこと。
ITを活用し、高齢者の生活を支えていきます。
「セコム・マイドクターウォッチ」というこの端末は、利用者が常に身に着けていることを想定し、
電池は10日間持ち、充電は20分で完了します。
防水機能もついており、シャワーで壊れることはないそう。
また、端末を通じて、倒れているのか、寝ているのかを判断したり、
携帯電話のGPS機能と組み合わせ、異常事態が起きたときには
自動でセコム側に通知が行き、警備員が駆け付けることができます。
75歳以上の高齢者は30年には2300万人と、15年比で4割強増える見通しなので、
今後見守りサービスの重要性は高まると思われます。
この記事を読んで、
・かなり安心感があると思う。
・機械なので故障が心配。
・誤報も多そう。→どれだけ誤報をなくせるか。
・月額1000円以下は手頃。
・一人暮らしの高齢者の孤独死を防げるのは本人も家族も安心。
・3万件の契約を見込むとあるがどう集客するのか。
セコム以外にも、ITを活用した見守りサービスの視野は広がっているようです。
ワークショップ
1月12日にやった「良い会社が持っている3つの条件とは?」というテーマの続きも残っているのですが、
今日は急遽新しいテーマを用意させてもらいました!
今日のテーマ
今日のテーマは・・・
砂漠で遭難したら?
今回は、条件に沿って12種類の品物の優先順位をつけるという問題をやりました。
コンセンサスゲームとして会社の新人研修などにもよく利用されている問題です。
以下が問題文です。
七月中旬のある日、午前10時ごろ、あなた方が乗った小型飛行機は、アメリカ合衆国の南西部にある砂漠の中に不時着しました。不時着した際、飛行機は大破炎上、操縦士と副操縦士は焼死しましたが、あなた方は奇跡的に大きな怪我もなく無事でした。
不時着はあまりに突然で、無線で救援を求める時間もなく、また現在位置を知らせる時間もありませんでした。しかし、不時着する前に見た周りの景色から、あなた方は飛行プランに示されているコースから約100km離れた所にいることがわかっていました。また、操縦士は不時着前に、最も近くの居住地は約110km南南西にあることだけをあなた方に告げていました。この付近は全く平坦で、サボテンが生えている他は不毛の地域です。不時着直前の天気予報では、気温は約43℃になるだろうと言っています。それは、地表に近い足もとでは50℃にもなるだろうことを意味しています。
あなた方は、軽装ー半袖シャツ、ズボン、靴下、タウンシューズという服装で、各々、各1枚のハンカチとサングラスを持っています。また、全員で8ドルばかりの小銭と1万円の紙幣、1箱のタバコとボールペンが1本あるのみです。ただ飛行機が燃えてしまう前に、あなた方は次の12の品物をかろうじて取り出すことができました。
あなた方の課題は、これらの12の品物を、あなた方が生き残るために最も重要と思われるものから順番に、1から12までの順位をつけることです。生存者は、あなた方のチームのメンバーと同数であり、またみんなが協力し合うことを同意しています。
12の品物
・懐中電灯(乾電池が4つ入ってる)
・この地域の航空写真の地図
・大きいビニールの雨具
・磁石の羅針盤
・弾薬の装填されている45口径のピストル
・赤と白のパラシュート
・ガラス瓶に入っている食塩(1000錠)
・1人につき1リットルの水
・「食用に適する砂漠の動物」という本
・1人1着の軽装コート
・化粧用の鏡
・約2リットルのウォッカ
問題文を元に、これら12種類の品物の優先順位を決めなくてはいけません。
今回は2つのチームに分かれて30分間でそれぞれ考えてもらいました。
利用者さんの回答
Aチーム
Aチームは、動かないで救助を待つという方針で考えてくれました。
1.1人につき1リットルの水 2.ガラス瓶に入っている食塩(1000錠) 3.1人1着の軽装コート 4.赤と白のパラシュート 5.懐中電灯(乾電池が4つ入ってる) 6.大きいビニールの雨具 7.約2リットルのウォッカ 8.弾薬の装填されている45口径のピストル 9.化粧用の鏡 10.「食用に適する砂漠の動物」という本 11.磁石の羅針盤 12.この地域の航空写真の地図
その場で救助を待つため、生きるために必要なものの優先度を高く設定し、移動しないのであれば必要ない物は優先度を下げたとのことでした。
Bチーム
Bチームは、自分たちの力で居住地まで移動するという方針で考えてくれました。
1.1人につき1リットルの水 2.ガラス瓶に入っている食塩(1000錠) 3.この地域の航空写真の地図 4.磁石の羅針盤 5.懐中電灯(乾電池が4つ入ってる) 6.1人1着の軽装コート 7.弾薬の装填されている45口径のピストル 8.「食用に適する砂漠の動物」という本 9.化粧用の鏡 10.大きいビニールの雨具 11.約2リットルのウォッカ 12.赤と白のパラシュート
一刻も早く居住地に向かうため、地図や羅針盤の優先度を高める他、夜までに到着することができないため対策としてコートや電灯の優先度も高めたとのことでした。
模範解答
この問題には、専門家による模範解答があります。
自力で歩くか助けを待つか
専門家によれば、正しいのは助けを待つことなんだそうです。砂漠の中110kmも歩くのは不可能に近い一方で、飛行機が墜落して2時間以内に発見される確率は80%とのデータがあります。
そのため、その場で動くことなく救助を待つのが一番生還の確立が高いんだそうです。
また、夜までいる、何日も耐え続けるなどということも考えるべきではなく、より早く発見してもらうための品物を優先すべきとのことでした。
以上を踏まえた専門家の回答は・・・
1.化粧用の鏡:鏡で反射させた光は効果的に遠距離まで届くので居場所を伝えられる
2.1人1着の軽装コート:太陽光線を防ぎ、夜には寒さよけになる
3.1人1リットルの水:生きるために必要。短期に救助が来る前提で動くため1位にはならない
4.懐中電灯:夜間に光を使って居場所を伝える
5.赤と白のパラシュート:広げて空からの目印にする
6.ビニールの雨具:日差しや砂嵐から身を守るため
7.45口径のピストル:音によって救助隊に場所を伝える他、万が一動物に襲われそうになった際に使う
8.磁石の羅針盤:居住地に向かわないため必要ない
9.この地域の航空写真の地図:同じく動かず救助を待つため必要ない
10.「食用に適する砂漠の動物」の本:動物を捕まえるために体力を消費してしまうため利用しない
11.約2リットルのウォッカ:喉の渇きを促進してしまう
12.食塩錠剤(1000錠入り):血液濃度が上がり、脱水症状が促進してしまう
となります。
1人で考えた時よりも、チームで考えた時の方が色々な意見を聞くことができ、よりよい物を相談して決めることができます。
複数人で1つの答えを出すのは難しいことですが、これからもワークショップの時間にはこのような訓練をしていきたいと思います。