VSキラーストレス!-コーピング③- ~100項目のコーピングリスト~
前回までの内容はコチラ
コーピングについて復習!
リス太:前回の記事で、ストレスコーピングのバックグラウンドにある「認知行動療法」についてやったけど、覚えてる?
K君:認知や考え方を変えたり、気分が上がる行動を探したりすることでストレスに対策するんだったよね。
リス太:そうそう。それじゃあ今日は、コーピングをより効果的に行えるように、前に作ったコーピングリストを改良してみよう!
気晴らしを100個挙げてみよう!
リス太:K君が前にコーピングリストを作ったときの内容は、
寝ること、音楽を聴くこと、カラオケにいくこと、ゲームをすること、散歩をすること
だったよね?
K君:うん。カラオケとゲームは気分を盛り上げる気晴らしで、寝ること、音楽を聴くこと、散歩することは気分を落ち着ける気晴らしだったよね。
リス太:じゃあ今日は、そこに95個足して、気晴らしを100個挙げてみよう!
K君:わかった。100個だね!・・・・・・100個!?
リス太:おっと、冗談で言っているんじゃないからね。
K君:そんなこと言われても、100個も思いつかないよ~!ええと、好きなものを食べるとか、犬と戯れるとか・・・?
リス太:たくさん気晴らしを考えるためのコツは、内容を具体的にすることだよ!
例えば、「好きなものを食べる」だったら、カレーを食べるとか、ラーメンを食べる、みたいに分けてもOK!まずは質より量で、たくさん挙げてみよう!
K君:なるほど! じゃあ、散歩で行く場所を何ヵ所か考えたり・・・カラオケだけじゃなくて、お風呂で歌うのもいいかも・・・
リス太:それから、実際にやることだけじゃなくて、頭の中で想像するのもOKだよ!僕だったら、リス美ちゃんとデートする想像をするとか・・・。
K君:ええっ?本当にそれがコーピングになるの?
リス太:これは、「認知するコーピング」なんて呼ばれるんだけど、実際の行動を伴わなくても、何かを思い描くだけでストレス対策に効果があるんだよ。
K君:そうなんだ・・・。それじゃあ僕は、宝くじが当たって豪遊する想像をしちゃおうかな?
コーピングには、「しょぼい」気晴らしが重要!
K君:どんどん挙げていくぞ~! 「ハワイに行く」「高級寿司をありったけ食べる」・・・
リス太:ちょっと待って! K君、それって、実際にできるかな?
K君:う~ん・・・頑張ればできなくはない、かもだけど、何度もはできないなあ。
リス太:コーピングで重要なのは、ストレスがかかった時に気軽に実行できて、継続も難しくないものであることなんだ。
ハワイに行く想像だとか、美味しい物を食べた記憶を思い出す、なんて認知するコーピングならいいけど、実現が難しいものはコーピングには相応しくないんだよ。
K君:そっか・・・それじゃあ、例えしょぼく感じたとしても、あんまりお金のかからないものや、簡単にできるものを挙げていったほうがいいんだね。
作成したリストを持ち歩こう
K君:よーし完成だ! なんとか100個の気晴らしが挙げられたよ!
リス太:お疲れ様! じゃあ、今作ったリストを印刷しようか。
K君:印刷?
リス太:ストレスが積み重ならないようにするためには、できる限り早く受けたストレスに対処することが重要なんだ。
そのために、様々な場面で使えるように100個も気晴らしを考えたわけだけど、100個も覚えておくのは大変だし、いざ必要な時に最適な気晴らしを見つけるのも難しいでしょ?
K君:そっか! 今作ったリストを普段から持ち歩いていれば、ストレスを受けたらすぐに取り出して、状況にあった気晴らしを選ぶことができるね!
リス太:ストレスにこまめに対処していくことが、キラーストレスの発生を防いで心や体を守ることにも繋がっていくんだ。
時には正面突破の問題解決も必要
K君:100項目のコーピングリストも持ったし、これでもうストレスも怖くないね!
リス太:それなんだけど、実は、一つだけ知っておいてもらわないといけないことがあるんだ。
コーピングは、気晴らしによってストレスを遠ざけることができるけど、状況によっては、あまり効果を見込めないことがあるんだ。
K君:そんな! せっかく作ったのに!
リス太:うーん、例えば、毎日毎日たくさん怒られて、残業して・・・いわゆるブラック企業に勤めているときにコーピングを行っても、感じるストレスが強すぎてあまり改善できないことがあるんだ。
K君:えぇー! どうすればいいんだろう?
リス太:そういう時は、自分にストレスを与えている原因と真っ向から向き合って、問題を解決することが唯一のコーピングなんだ。
この場合だったら、職場環境の改善のために雇用者や労基に働きかけたり、あるいは転職して職場を変えることだね。
K君:100個の項目から選ぶだけじゃなくて、今の状況に最もふさわしい方法でストレスに対処していかないといけないんだね。