生活保護とは② ~受給の仕組みと扶助の種類~

 

就労移行支援事業所リスタートの教えて!リス太くんシリーズ

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第139回 教えて!リス太くん

 

 

生活保護の受給額は、様々な条件で決まるんだ!

 

 

生活保護受給の仕組み

生活保護は、8種類の扶助とその他いくつかの加算によって構成されています。

その中で主要となるものが「生活扶助」「住宅扶助」で、合わせて「最低生活費」と呼ばれます。

生活扶助

生活扶助は、食費や衣料費、水道光熱などの生活に欠かせない諸々の費用に充てられるものです。

第一類と第二類に分かれており、それぞれ以下のように決められています。

第一類:食費や被服費など、個人で消費する物のための経費。

第二類:光熱費や家具など、世帯で共有される物のための経費。

生活扶助の額は、「級地」「生活保護基準」によって決定されます。

なお、どちらの扶助も現金での支給となります。

級地

級地とは、地域ごとの物価や地価の違いに合わせ、公平に支給額を決めるための制度です。

級地区分は、こちらの厚生労働省のページから確認できます。

生活保護基準

生活保護基準は、級地の他、家族数や年齢によって決められる基準です。

世帯の収入(給料や年金、各種手当などの合計)が生活保護基準を下回る場合、その差異が生活扶助の受給額となります。

生活保護基準額は、こちらの厚生労働省のページから確認できます。

住宅扶助

アパートなどの家賃を補填する扶助です。

世帯人数や地域によって上限額が決まっており、上限を超える家賃の家に住んでいる場合、上限までしか扶助が出ないだけではなく、転居指導を受けることになります。

生活扶助の上限金額以内の家賃の家を探し、引っ越さなければ生活保護を受給し続けることはできなくなります。

なお、持ち家の場合、豪邸でなければ売却せず住み続けることができる場合もありますが、当然ながらその場合は住宅扶助は受給できません。

また、台風などで住宅の修繕が必要となった場合、その費用も支給されます。

これらもすべて現金での支給となります。

教育扶助

義務教育を受ける子どもがいる場合、その教育費用が教育扶助として支給されます。

金額は一律で以下のように決まっています。

小学校 中学校
①基準額 2,150円 4,180円
②学級費 600円以内 770円以内
③学習支援費 2560円 4330円

①基準額:鉛筆、ノートなどの学用品や、遠足などの費用にに充てられます。

②学級費:学級費の他、生徒会費、PTA会費なども含まれます。

③学習支援費:学習参考書の購入やクラブ活動などに充てられます。

教科書等の学校が指定する教材の費用や給食費、最低限必要な交通費等に関しては全額の支給を受けられます。

これらも、すべて現金での支給となります。

医療扶助

病気や怪我などにより、医療費が必要となった場合、医療扶助の対象となります。

治療行為そのものや、入院、薬など、現物給付という形で扶助を受けることができます。

扶助を受けられる範囲は国民健康保険と同じであり、保険適用外の薬などのほか、個室を希望した場合の差額分や歯科矯正、美容整形などの治療も対象外となります。

また、生活保護を受給している場合、健康保険料を負担する必要はなく、上記の例外等を除いては実費の請求などもありません。

ただし、突発的に体調が急変した場合を除き、医療が必要かどうか事前に福祉事務所での審査が必要となり、生活保護指定の医療機関でなければ治療を受けることができません。

介護扶助

生活保護を受給している要介護者に対し、介護保険法に基くサービスを現物給付する扶助です。

生活保護を受給している場合、医療保険に加入していることにならないため、40歳から64歳であっても介護保険料は請求されません。

また、65歳以上になると介護保険の被保険者となりますが、介護保険料と同額の加算がつくために実質負担額はゼロとなります。

出産扶助

生活保護受給者が出産する際に支給される扶助であり、現金での支給となります。

基準額は一律で、施設での分娩であれば上限258,000円、居宅分娩であれば上限249,000円となっており、施設等での分娩であれば、入院費用も8日分まで支給されます。

また、ガーゼやおむつ等に使うための衛生材料費として、別途5,700円までの支給もあります。

妊婦加算

出産扶助とは別に、妊娠している間は母体保護や栄養補給などの目的のために妊婦加算がつきます。

受給額は級地によって異なり、妊娠6ヵ月未満と6ヵ月以上、出産後と受給額が変化します。

生業扶助

生業に必要な資金や器具、資料の費用、必要な技能の習得など、収入増加や自立の助長のために支給される扶助で、以下の種類があります。

①生業費:事業を行うために必要な資金の支給

②技能習得費:就職に必要となる資格の取得や技能の習得のための費用

③高等学校等就学費:高校の入学から卒業までの間支給される、授業料や教材費など

④就職支援費:就職が確定した後必要となるスーツ等の購入費用など

葬祭扶助

生活保護受給者が葬儀をすることになった場合などには、葬祭扶助という形でその費用が現金給付されます。

級地により額は異なりますが、大人の場合でおよそ20万円、子どもの場合およそ16万円ほどが支給されます。

その他の加算

上記の扶助以外に、以下のような加算も生活保護に含まれます。

母子加算

一方の配偶者が欠ける者が子どもを養育する必要がある場合に支給されます。

名前は母子加算となっていますが、実際には父子家庭であっても加算がつきます。

加算額は、級地及び子どもの人数などによって決まります。

児童養育加算

中学卒業以前の子どもがいる場合に加算されます。

加算額は、子どもの年齢や人数によって決まります。

障害者加算、重度障害者加算

生活保護者が障害の認定を受けている場合に、生活上の需要を補うため加算されます。

加算額は、障害の程度によって決まります。

まとめ

生活保護は様々な扶助に分かれており、それぞれに条件などが厳密に決められています。

また、この記事にある以外にも、臨時的に必要となった費用を補償する一時扶助なども存在します。

福祉事務所などを通さなければ受給できない項目も多いですが、申請などをしっかりと行えば、「最低限度の生活」は保証されます。

ただし、①でも説明した通り、生活保護の目的は、生活の基盤を取り戻し、再び自立した生活を行えるようにすることです。

働くことができず、生活が困難な時には頼りになる制度ですが、生活が安定してきたら、就労に向けて準備を進めていく必要があります。

就労移行支援事業所リスタートでは、就職や社会復帰を目指す障害を持った方たちのサポートをしています。

悩みがあれば、是非私たちに相談してみてください。

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