リス太と学ぶ認知行動療法 ~いやな気分の原因は歪んだ思考!?~

前回までの「リス太と学ぶ認知行動療法」はこちらから

前回までの話で、いやな気分になったり、動揺したりする原因は自分自身の考え方である、ということはわかったかな?
うん! 考え方によって浮かんでくる気分が変わる、っていうこともよくわかったよ!
それなら次は、いやな気分の原因は「歪んだ」思考である、ということについて考えてみよう。
歪んだ思考・・・?
そう! 動揺して、いやな気分になるときに浮かんだ自分の考えは、その時の自分にとっては真実に思えるよね?
ええと、確かに。その考え方が真実だと思うから、気分も変化していくわけだよね。
だけど実は、どんなに真実に見えていても、そんな時に浮かんでいる考えは不合理で、歪んでしまっていることが多いんだ。
と、いうことは、自分で気づいていないだけで、いやな気分になっているときの考え方には、思い違いをしていることが多いってこと?
そうだね。だから、思考が歪んでしまっている部分を見つけて、より現実に沿った考え方に変えることができれば、浮かんでくる気分も変えることができるんだ。

 

歪んだ思考リスト

歪んだ思考って、どんなものがあるの?
ここに歪んだ思考のリストを用意したから、参考にしてみて!

 

1.全か無か思考 黒か白かという絶対的な二分法で物事を見ている
2.一般化のしすぎ 1つの否定的な出来事を、終わらない失敗の連続を示すものとして捉える
3.心のフィルター マイナスのことばかりくよくよと考えて、プラスのことを無視してしまう
4.マイナス化思考 自分のしたことやプラスの資質が、大したことはないとかたくなに主張する
5.結論の飛躍 明確な証拠がまったくないのに物事を否定的に捉える。
①心の読みすぎ:人々が自分に対して否定的に接していると思い込む。
②先読みの誤り:物事が悪い方向に向かうと恣意的に予測する。
6.拡大解釈または過小評価 度を超えて物事を誇張する。あるいはその重要性を不適切に縮小する。
7.感情的決めつけ 自分の感じ方から推論する。例:「私は自分をダメな人間だと思う。だから私はダメな人間なのだ」
8.「べき」思考 「~すべき」「~すべきではない」という言葉で自分、及び他人を縛り付ける。
9.レッテル貼り 「私は間違ったことをした」と考える代わりに「私は失敗者だ、愚か者だ」などと考える
10.責任の押し付け 自分が完全な責任を負っていないことに対して、自分を責める。あるいは、自分の態度や言動が原因であることを見落として他人を責める。

 

これらの考え方が憂うつや不安などの気分を作ってしまっているんだね。
その通り! K君が仕事でミスをしてしまって、いやな気分になった時のことをもう一度思い出してみて?
この表にあるような考えは浮かんでいなかったかな?
言われてみれば、「もうこの先もずっと仕事が上手くいかないんじゃないか」とか、「仕事ができない僕はダメな人間なんだ」とか考えていたかも・・・。
そうか、これが歪んだ思考なんだね。
それじゃあ次回は、一つ例を出して、どんな考え方にはどんな歪んだ思考が含まれているのかを実際に探してみよう!

 

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