リス太と学ぶ認知行動療法 ~思考の歪みを取り除く15の方法①~

前回までの「リス太と学ぶ認知行動療法」はこちらから

さて。これまでの「リス太と学ぶ認知行動療法」では、思考の歪みを取り除くための方法について説明してきたね。
動揺しているときには否定的思考を見つけ出して、そこに含まれる歪みを取り除いていけばいいんだよね。
そうそう。でも、実のところ、自分で自分の思考の歪みに気づくのは難しいことが多いんだ。
他の人から見ると歪んだ思考でも、本人からすれば妥当な考えに感じられることもあるよね・・・。
そこで今回は、思考の歪みを取り除いて、ポジティブな思考パターンを育むための方法を紹介していくよ!

 

1.歪みを特定する

まずは、10コの歪んだ思考と比べることで、否定的思考に潜む歪みを探すことだ。
10種類どんなものがあったか、言えるかな?
「全か無か思考」「一般化のしすぎ」「心のフィルター」「マイナス化思考」「結論の飛躍」「拡大解釈または過小評価」「感情的決めつけ」「べき思考」「レッテル貼り」「責任の押し付け」だね?
おお、すごい! 否定的感情を歪んだ思考に当てはめてみるだけで十分に状況が改善することは多くないけど、多くの場合、便利な第一歩になるんだ。
否定的思考が現実的なものではないとわかれば、現実的な思考との置き換えがしやすくなるからだね。

 

2.直接的アプローチ

名前の通り、直接自分に問いかける方法だよ!
よりポジティブで現実的な思考がないか、自分に聞いてみるんだね。

 

3.メリット・デメリット分析

これは、前回まででやったばかりだね。さまざまな状況で怒ったり動揺したりすることの長所と短所を挙げてみるんだ。
「このように考えることで、自分にどんな利点や、不利な点が生じるだろうか?」なんていう風に考えてみて、どちらのほうが大きくなるかを考えてみるんだよね。

 

4.証拠を探す

証拠・・・っていうのは、何の証拠のこと?
自分の思考が真実である証拠だよ。同時に、真実でないという証拠があるかどうかも探してみることで、今の自分の思考が正しいかどうかを考えることができるんだ。

 

5.調査技法

この調査っていうのも、自分の思考だとか、態度について・・・ってことでいいのかな?
そうだね。特定の状況に感じる不安などの感情について、何人かの友人に同じような状況で同じような感情を感じることがあるかどうか聞き取り調査してみるんだ。
なるほど。複数人から意見を聞けば、自分の思考や態度が自然なものかどうか知ることができるね。

 

6.実験技法

証拠を探し、調査を行ったら次は実験だよ!
否定的思考が、妥当かどうかを実験してみるんだね。
これは、決まったやり方があるわけではなくて、思考や感情によってやり方も変わってくるから、どんな実験を行うことができるかを考えることも大事なんだ。

 

7.二重の基準技法

これは、自分の否定的思考を特定した後の話なんだけど、自分に対して、厳しく当たってしまうことがあるんだ。
自分が悪いんだ、だからダメなんだ!って・・・ああ、ちょっとわかるかも。
まるでそうすることで、完璧で、よりよい人間を目指すことができるとでも言うようにね。
でも、これは自尊感情を損なうことに繋がってしまうんだ。
うーん。どうすれば改善できるんだろう。
そんなときは、「同じような問題を抱える友人がいたとして、自分は同じことを言うだろうか? 言わないとしたらなぜだろう? 代わりにどんなことを言うだろう?」なんて風に自分に問いかけてみよう。
大切に思う人が相手なら、現実的で公平な言い方をするよね?
あー・・・確かに、友人が苦しんでいたら勇気づけようとするけど、自分が苦しんでいるときにはより厳しく追い込もうとしちゃうかも・・・。
親友に語り掛けるのと同じように、自分に対しても接するように、心に決めておこう!

 

8.満足度予想技法

これは、さまざまな活動の満足度を0%~100%で予想して、活動が終わった時点で実際の満足度を記録する、というものだよ。
これにはどんな効果があるの?
無気力になってしまっているときに、活動的になることを促す効果があるんだ。
それから、「1人でいるとみじめな気分になる」などの自虐的な思い込みを試す時にも使うことができるよ。

 
 

残りの思考の歪みを取り除くための方法は、次回の記事で紹介するよ!

 
restart_banner