リス太と学ぶ認知行動療法　～否定的思考のメリット・デメリット分析～

さて、ここまでで、罪悪感、怒り、不安などの否定的感情をメリット・デメリット分析する方法について学んできたね。

否定的な感情が沸いてきた時に、そのメリットとデメリットを比較して、メリットが勝ればその否定的感情を受け入れることができるし、デメリットが勝れば感じ方を変えることを試みることができるんだったね。

実は、メリット・デメリット分析は、否定的思考についても使うことができるんだ。

感情じゃなくて、思考に？

そう！否定的思考にメリット・デメリット分析を使うことによって、いやな気分にこだわらせる原因になる、無意識の隠れた目的・・・欲求を浮かび上がらせることができるんだ！

否定的思考のメリット・デメリット分析は、どんな時に使えるの？

そうだね、少し例を出してみようか
例えば、誰かに批判されたり、あるいは仕事上の失敗があったとしよう。

うんうん

そのために、「自分はダメな人間だ」と感じて欲求不満になり、実際に「私はダメな人間だ」と自分に対して言ったとする。
これは、いい状態と言えるかな？

うーん、あんまりいい考えとは言えないような・・・。

それはどうして？

ええと、問題の原因を特定して対処方法を立てることができないまま、うつ状態だとか、自己弁護過剰な思考に繋がってしまうと思うんだ。

うんうん、そのままだと人生に行き詰ってしまったと感じてしまうだろうし、その感情を振り払うのは容易ではないだろうね。

大変だ！なんとかしないと！

そこで役に立つのが否定的思考のメリット・デメリット分析だ！

おお、なるほど！「自分はダメな人間だ」っていう否定的思考のメリットとデメリットを分析するんだね？

そういうこと！それじゃあ、実際にやってみようか。

あなたが変えたい否定的思考は？「自分はダメな人間だ」
これを信じることのメリット	これを信じることのデメリット
次の機会にもっと努力するための動機づけになる	自分を不適格と考えることで活力を使い果たし自分を傷つける
諦めるための口実になる	うつ状態になる
誰かに元気づけてもらうことができる	自分がダメだからだと決めつけ経験から学ぼうとしなくなる
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