リス太と学ぶ心の病 ~発達障害の困りごと・職場編~

前回は発達障害のある人が家庭や自分でできることを紹介したね。
今回は職場で困ること、それぞれの対処方法・解決方法を紹介していくよ!

 

集中できない!

発達障害を持っている人は、視覚や聴覚が過敏だったり、多動性だったりがあって、集中できないことが多いんだ
困っちゃうよね。集中したいけど、他の事が気になってしまうんだよね。
そうなんだ。こういう場合、集中できない原因を解決する方法と、集中できなかったときにやることを見つける方法が有効だよ。
たとえば?
まず原因の解決方法だけど、雑音が気になるようだったら耳栓、光や視界の情報が気になるなら、壁向きの席にするとかパソコンの明るさを調整するとかがあるね。
なるほど! 耳栓や席だったら、上司や同僚と相談しつつやっていかないとね!
そうだね! 次の集中できなかったときだけど、「ここまでやったら休憩」と目標を決めたり、集中できないときは次の仕事・作業に取り掛かってしまったりというのも手だよ。

 

段取りができない/優先順位がわからない

マルチタスクが苦手な人は多そうだね。臨機応変が苦手ってことは、仕事が入ってきたときに優先順位変えるのも難しそう。
そうなんだ。まずは仕事をリストアップするところから始めよう。
なるほど。まず頭の整理だね。
そう。リストアップできたら、その中で優先順位を考えていこう。「すぐ」って言われたもの、締め切りが迫っているものはまず先に取り掛かろう!
そうだね、これは納得! 命とか、お客様や会社の存続にかかわることはダッシュだね!
そうそう! 次は、「急ぎ」「すぐに」じゃないけど大切なものをやっていくよ。締め切りがあるもの、お客様に関わること。普段やっている自分の仕事・作業もここに含むよ。
なるほどなるほど。
最後にやるのは、締め切りがないもの、あってもすごく遠いもの。自分の勉強、報告書・日報はここに含むよ。これは空いた時間に進めておこう。

 

締め切りを忘れてしまう

重要性、緊急性がわからないとかのほかに、日程管理・タスク管理が苦手で締め切りを忘れてしまったり、締め切りに間に合わなかったりということもあるよ。
段取りが下手だったり、先送りにしちゃったりということも多そうだね。
そうなんだ。こういう場合、締め切りを明確にしておくことがまず大切。「金曜日までにやりますね」など締め切りの情報を他の人と共有できるといいね。
なるほど!
あと、仕事や作業も、タスクを細分化して、サブタスクごとに締め切りを設けていくといいよ。「資料作成」だったら、「中身を箇条書きにする」とか「流れを考える」とかがサブタスクになるよね。サブタスクを書き出したら、そこに期限を設定していこう。
ふむふむ、これなら簡単に進めていけそうだ!

 

メモや会議の内容を忘れてしまう

何が大切なのか、情報をどう整理したらいいのか、というのを判別するのが苦手なため、メモが上手にとれない、とっても忘れてしまったり、ということがあるよ。
ふむふむ。
まず、メモのフォーマットを決めて、用意しておくといいよ。日付、タイトル、会議だったら議題、目的、締め切り、仕様など決まり事、といったことを書ける用紙を用意しておこう。
電話も同じ。時刻、相手の名前、電話番号、宛先、内容、といったことを書ける用紙を手元に置いておくといいね。
なるほど、聞かなきゃいけないポイントをはじめから準備しておくといいんだね! あとから見返してもわかりやすそう!
そうそう。基本的に聞きながら整理して書くということが苦手なことも多いから、議題、場所など初めからわかっていることはあらかじめメモに書き込んでおこう。
これも、その場で情報を整理しなくてもいいし、必要なことだけ書けばいいからラクだね!
そういうこと! あとはメモをしまう場所だけど、これもファイルやバインダーを初めから用意しておいて、見直しやすい場所に置こう。メモは必ずそこにしまうようにしようね!

 

報告、連絡、相談。。。ホウレンソウって何だ!?

報告、連絡、相談で「ホウレンソウ」と言われているけど、実際は、まず相談をして、次に状況を連絡して、結果を報告するんだよ。
なるほど、順番は逆なんだね。
そうそう。まず相談だけど、発達障害の人は「忙しそうだから」と遠慮しすぎたり、逆に聞きすぎたりということがあるよ。
うん、これはけっこう難しいよね。「困ったらすぐ聞いて」って言われたり「自分で考えて」って言われたり。。。
そうなんだ。自分ですぐに調べられそうだったら調べてみよう。あとは、困っていることを伝えるとき「どうしたらいいでしょうか」よりも「○○してもよいでしょうか」のほうが、相談される側も楽だし、きちんと考えているんだと理解してもらいやすいよ。
なるほどなるほど!
次に連絡・相談だけど、これもタイミングが難しいね。連絡については、相談した結果が出たタイミングで、簡潔に伝えるのがベストだよ。報告についても、苦手であれば、半日に1度定期連絡するようにしたり、日報や終礼で確認事項を知らせたりするといいよ。
ふむふむ、タイミングが決まっていれば迷わなくていいね!
そういうこと! 内容についてだけど、順調なら、やっていること・経過だけでOKだよ。もし相談することがあるようだったら、そのポイントと、分析した原因を添えておくと、報告される側もアドバイスがしやすいよ!

 

大人の発達障害として、就職後に発達障害の症状で仕事がうまくいかなかったり、トラブルになったりすることがあるよ。工夫をいろいろ試して、解決していこう!