利用者さんの卒業文です!
リスタートを今月で卒業となった利用者さんが、リスタートに通うと決めたきっかけからプログラムで行ったことなどを、文章にまとめていただけました!
ブログで掲載する許可がいただけましたので、就労移行支援事業所ではどんなことをするのか、リスタートとはどんな場所なのか、参考にしてください!
目次
卒業文
はじめに
この卒業文を作成する意義は、足跡を残すことにあると思っています。
たとえば私にとてもそっくりな方がいらしたとして、この事業所でより有意義に過ごせるように、「私はこう過ごした、こう感じた、こう対処した。だから参考にしてください」という足跡です。
日々行われている各プログラムがどのような内容かについては、ほかの方のレポートやスタッフの方の説明以上にはわかりやすくできる気がしないので、あわせて私という人間がどう利用したか、何を得たかを重点的に書こうと思っています。
さて、結論から申し上げますと、少なくとも「2年前の私とそっくり同じ方」には胸を張ってリスタートを勧められます(それ以外の方に勧めないという話ではありません)。
では、私がどんな人間なのかを書いていこうと思います。
私がどんな人間(だった)か
ただただ、人に拒絶されるのが恐ろしい。
私はそういう人間だと思います。
今でも「克服した」などとは口が裂けても言えません。
大学時代に面接がどうしてもいやで、就職に失敗したことが原因なのか。
それとも高校時代のぎくしゃくした人間関係が嫌になったのか。
いや、小学生までさかのぼるのかもしれません。
他者に嫌われることに、異常なまでの恐怖心を抱いていました。
その裏返しで、人を嫌うことも絶対にしてはならないという気持ちがありました。
「自分が嫌われたらショックなのだから、自分も人を嫌ってはいけない」という考え方です。
人の嫌がることをするな、ということですね。
今見ても一見筋が通っている気がします。
どちらも不可能であるということを除けば、ですが。
嫌い嫌われることを避けるには、人と付き合わないことしかありません。
リスタートに通うまでの私は、気づけば5年間、家に引きこもり続けていました。
家族とインターネット上の知り合い以外とは関係を持たず、アルバイトの経験すらなく、ひたすら自室で過ごす日々です。
大学卒業後、肩書きが無職になって以来、「消えてなくなりたい」と思わない夜はありませんでした。
今考えれば精神病そのものです。
リスタートに通う直前、心療内科にかかったときにやっと「責任を果たせていない(と思っている)自分が許せないのだ」と気づくことができましたが、当時はその気持ちの正体に気づかず(言語化できず)、自分から行動を起こすエネルギーがわきませんでした。
きっかけ
リスタートとの出会いは、姉からのプレゼンテーションでした。
姉は私よりも長期間、重度の精神病に苦しみ、紆余曲折を経て、私より数か月前にリスタートに通い始めました。
「今日はこんなプログラムを受けた。新聞記事を読んで意見を出し合った」
「レクリエーションで体を動かした。誰々さんとコミュニケーションをとった」
心なしか前よりいきいきと、夕食時に私の知らない社会の話を聞かせてくれます。
そんな姉がある晩、
「あなたもこんなに長い間引きこもっているなら、なにかしらの精神病なのだろうから、働くつもりがあるのなら就労移行支援事業所のお世話になったほうがいい」
「私が通っているところはほかの事業所と比べて、通い始めのハードルを低く設定してくれるから、まずは見学してみるといい」
と、リーフレットを見せながら語ってくれました。
さて、無礼を承知で正直に申し上げます。
当時の私は他者とのかかわりを持ちたくないから引きこもっていたのであって、「自発的に就労移行に行きたい気持ち」を百分率で表すと1%にも満ちませんでした。
しかし、残念ながらいつまでも無職のままでは生活ができないのも事実なので、渋々承知しました。
が、たまたま行った普段やらない筋力トレーニングの結果、歩けないほどのひどい筋肉痛にみまわれ、見学をお願いしてから1週間、日にちをずらしてもらいました。
あのふくらはぎの痛み、それはもうすさまじいものでした。関係者の方々、その節は大変ご迷惑をおかけしました。
見学から通所まで
見学から本格的な契約に至る決め手はなんなのか? と思いでしょうが、私が見学に来たということは通所するということにほぼ等しいのです。
ここはどんなところかという判断をするのもエネルギーを消耗しますし、誘いを断るのにも精神力を使います。
「ああ、ここまできて断れば嫌われるかもしれない。フォローを考えなくては。」
……平たく言うと、もうフォローが面倒くさかったのです。
事業所とその利用者の目に触れる卒業文で、こんなことを臆面もなく書けている時点で、嫌われる勇気がついたと思っておきます。
見学初日にやったことは思い出深いので、一応書き起こしておきます。
その日、世間はバレンタインデーでした。リスタートではハートマークに切った赤やピンクの折り紙に、「だれかへの感謝の言葉」をつづろう、というイベントをやっていました。
私は来て早々、リスタート関係者の方々に感謝するのも白々しいかと思い、家族に対してメッセージを書きました。
両親と姉へ、日ごろから思っているけれど口にしない言葉。
小学校低学年以来こんな経験はなかったので、どこか懐かしく楽しかった覚えがあります。
そのイベントはこの文書を作成時点で二年弱前になりますが、今でも壁に小さな写真として残っています。
同じ事業所に姉と通っている手前、少々恥ずかしいですが、他に思いつく対象もなかったので、照れながら書いたことを覚えています。
ちなみに当の姉は、自分の好きなアーティストに対してメッセージを書いていました。
なるほど、そういうもので良かったのですね。
通い始めた時の状態
私の生活サイクルは昼夜ぐちゃぐちゃで、食事も日に1回~2回程度、睡眠は眠い時に寝るといった感じでした。
さらに人と顔をつきあわせてコミュニケーションをとることも思い出さなければなりません。
そのためにまずは週2~3回、午後からでいいので通所してみようという感じでした。
リスタートは基本的に週5回開所していて(たまに土曜日も含めて6回)、来られる時でいいから曜日を決めて来て、というお話でした。
私はとにかく体調を崩しやすく、少しずつ「決まった時間に通所する」ことに体を慣らしていきました。
正直に言えば、今でも体調管理が下手です。
精神的なストレスが直接体調に出やすいので、自分が今どういう精神状態で、この分だとこれからどんな体調になるか、経験を重ねて割り出すことが大事だと感じました。
これについては慣れるしかないと思います。
主に参加したプログラム
私が主に参加したのは「新聞読解」「SST」「自己分析講座」「認知行動療法講座」「就活対策講座」「利用者が企画運営するイベント」などです。
だいたいの内容と、どう感じたかを書きますが、私とまったく同じように利用する必要はありません。スタッフの方とご相談の上、ぜひご自分に合った利用の仕方を模索してください。
新聞読解
自室でインターネット漬けだった割には情報に疎く、時事にまったく関心がなかった私には、「世間で何が起きているか」を知り、考えることができる貴重な時間でした。
また、「読み解く」訓練なので、自分なりに記事を解釈し、そこで生まれた意見をほかの方と共有することで、さらに知識を増やしていけた気がします。
決められた時間内に全員の意見を出し合い、話し合い、まとめるという技能をもとめられる場は、社会において多いと思います。
必ずしもそういった職に就くとは限りませんが、かなり自信につながりました。
さらに慣れてくると、「今日参加している誰々さんは意見が多めに出ることが多いから、これくらい時間がかかるかな」であるとか、「思ったより時間が余っているから話したそうな方に意見を仰いでみよう」など、ある程度予測がつくようになりました。
ファシリテーション等をする場合には、こういった多少ずるい見極めも役立つのかもしれません。
SST
ソーシャルスキルトレーニング。今では「就活SST」として就活寄りの内容になっています。
あつかう内容は非常に多岐にわたります。
私の印象に特に残っているのは「非言語的コミュニケーション」です。
人がどういう言動をすると相手にどう受け取られるか、という話は、人から嫌われたくなかった私の興味を引きました。
相手がそういった行動をしたときにも「空気を読める」ようになるので、非常に大事なスキルだと思います。
かくいう私も空気が読めない人間で、誰かと誰かが喧嘩していても無神経に話しかけては険悪にさせた苦い経験が何度もあります。
学生時代、国語の時間の「筆者の気持ちを考えなさい」にはついていけたつもりですが、対人関係の「空気」ではそれができず、友人たちがどう感情を察しているのか、はなはだ疑問でした。
私と彼らの違いは、意識してかどうかはともかく、「非言語的コミュニケーション」を身につけていたかどうかだったと思います。
「それにしても今日は顔色が悪いな。あまりうるさく話しかけても、機嫌を損ねるだけかもしれない」
「時計をチラチラ見ている。今はあの人は急いでいそうだから、あとで落ち着いたときに用事をもちかけよう」
「話し合っているときに、間にあるコーヒーカップや本をどけて私の顔を見てくれている。受け入れてくれている感じがして話しやすい」
などなど。身についている人には当たり前のことばかりでも、言葉で説明されないと理解できない私には目からうろこでした。
現在でも、今度は自分が使う側として、とても役立っています。
「切り上げたい話題の時は時計をチラチラ」「じわじわドアへ歩き出す」などの多彩なアクションが板についてきました。
そういった小細工が通じない方は、私と同じく空気が読めない方です。
正直にやんわりと時間がないことを伝えましょう。
自己分析講座
以前は「自己PR講座」として開かれていました。
私が入った時には、裏向きにされたカードをめくり、そこに書かれたお題について語ったりするゲーム的な時間などがありました。
今は「自分史」を作ったりして、自分でも気づいていない、自分の考え方に影響を与えたことがらを発見する、などといったアプローチで自己分析をする時間です。
自分史の場合は、自分のエピソードを語るとスタッフの方が「その経験がどのように良い影響を与えたか」などを考えて下さったりします。
思えば私は、自分のことばかり考えていたのに、きちんと分析をしたことはなかった気がします。
「学生時代あんな失敗をした。最低の人間だ」
「恥ずかしい思い出ばかりだ。その時の気持ちがよみがえってくる」
そこで止まっていました。
マイナス感情のみを味わいつくし、次の思考に移ることはありませんでした。
次の思考とは、「その経験が自分にどう影響を与えたか」です。
後悔や恥というものは、反省に昇華するのが健全です。
以前の私は、それを怠っていました。
要は考え方が下手だったのです。
考え方の改善は、後述の認知行動療法講座で行う「認知療法」にも関わってくるので、この二つの講座には、ぜひ併せて参加してみていただきたいです。
認知行動療法講座
「認知療法」と「行動療法」を併せて行うことで相乗効果を期待した認知行動療法。
私はことさらに、認知の歪みが多い人間です。
「認知の歪みが多い」とは、ざっくりというと「思い込みが激しい」ことです。
詳しくは講座で説明がなされますが、待ちきれない場合はスタッフの方に聞くか、インターネットでチェックしてください。
リスタートのブログにも掲載されています。
私の話に戻ると、実際にリスタートでも「自分の不徳な行為のせいで人を怒らせてしまったかもしれない」と勝手に悩んでしまったことが何度もあります。
その時には、所長に面談をしていただいて、認知の歪みを指摘して頂きました。
この認知療法というものを知り、身につけるまでは、勝手に考え悩んでいても絶対に解決しませんでした。
「怒らせてしまったかもしれない」のも一理ありますが、「怒らせていないかもしれない」のですから、そこで足踏みをせずに、一歩離れたところから客観的に分析して、考えてもどうしようもないことは考えるだけ無駄だ、と割り切ってしまうと楽になります。
認知を切り替えることが可能になったら、行動もセットで変えてしまえばより効率的というのが認知行動療法です。
行動が先でもいいのですが、私自身の行動を変えるには誰かしらの指導がないと難しいので、まずは考え方を改め、「怒らせてしまったとは限らないのだから、変に委縮しない」と決めて行動すればよかったのです。
確認のために重ねて申し上げますが、あくまでも私の考え方、ほんの一例です。
ご自身に合った認知や行動を見つけ出してください。
スタッフの方がサポートしてくださります。
就活対策講座
読んで字のごとく、就活対策の講座です。
これは今では教養に特化した講座と、ビジネスマナーに特化した講座がそれぞれ週1回開かれています。
その講座内容の中でも、まず結論を話す話し方、「PREP法」というものが特に気に入っています。【P】
「結論(Point)」「理由(Reason)」「事例・具体例(Episode)」「結論を繰り返す(Point)」という順序で繰り広げる文章構成方法の一つなのですが、これが私の話し方の欠点の克服に必要な要素だからです。【R】
私はよく「話が長い」「まとまりがない」と言われます。ものごとを時系列順、つまり思い出した順に話したがってしまうためです。これでは忙しい相手は苛立ちますし、すぐに結論がわからず、伝わりにくい話し方になります。【E/R】
そこで、最初に結論を話す「PREP法」は素晴らしい、という話になるわけです。【P】
試しにPREP法で記述してみましたが、文章で伝えるときに限らず、普段の話し方にも応用が利く便利な方法だと思います。
理由や具体例の部分はこだわらず、「結論でサンドする」ということを意識するだけでも伝わり方が違います。
こういった、就活にも社会生活にも使える知識の訓練ができる講座です。
利用者が企画運営するイベント
これは最近開かれていませんが、大きな体験になったので記述しておきます。
夏祭りやクリスマスにイベントを開催して祝うため、どのような催しを行うかを利用者が計画してスタッフの方に相談し、当日までに遂行する、企画・運営の訓練でした。
ちなみに、企画の訓練については、今では「ワークショップ」という形で週に一回行われています。
当日に間に合わなければ「失敗」となりえるわけですから、企画の段階でかなり緊張した覚えがあります。
もちろん一人でやるわけではなく、数名の利用者が出した案をスタッフの方が精査し、また話し合い……という繰り返しでした。
プレッシャーに弱い自分には多大なストレスになりました。
ほかの利用者の方々が頼もしかったので何とかなっていた部分があります。
今から一人で同じようなことをやれと言われても難しいでしょう(もちろん、一人で回すことを想定しているものではないはずですが)。
この取り組みのおかげで、自分にどのくらいのことができて、どのくらいのことができないか、がなんとなく見えてきました。
同時に、人には向き不向きがあるのだから、必ずしも全員に同じ仕事量を割り振らないほうが良いことも体感しました。
適材適所という言葉は知っていても、「あの人はあんなにたくさんの仕事をしているのだから、自分や他の人もあの人と同じだけ仕事をこなすべきだ(して当然だ)」という考えが、頭のどこかにあったのでしょう。
冷静に考えれば破綻していますが、その破綻した考えを持っていると自覚しなかったので、とても大きなストレスになったのでしょう。
結果的に気力も体力も大変消耗しました。
余談ですが、この、強く「〇〇するべき」という思考の問題点や対処法についても、認知行動療法講座で学べます。
この思考は認知の歪みであると考えられます。
気になる方は、「べき思考」で検索してみてもいいかもしれません。
この問題に直面する前に、認知行動療法講座の当該部分について学べていればと、いまでは思います。
個別課題
毎日ほぼ必ず10:10~11:00に一コマあり、また自分が参加しないプログラムが開催される時間にはこの課題になります。
内容は「自習」が主です。
通常の通所の仕方をした場合、リスタートで最も多くの時間をこの課題で過ごすことになると思います。
その分自由で、使い方次第でいくらでも多様な過ごし方ができます。
私の場合、真面目な話をすれば、自分の精神状態を見つめなおすため、心理学について読書をしていたり、パソコンのWord・Excelの資格である「MOS(Microsoft Office Specialist)」や、一部の薬を販売できる資格である「登録販売者」にむけた資格勉強、後学のために法律の勉強もかじってみたり、他にもいろいろな勉強をしました。
この文書を作成しているのも個別課題の時間です。
しかし体調の悪い日や意欲のわかない日には、休憩をしていてもいいですし、基本的には「他の利用者の邪魔をしなければいい」という時間です。
それこそ学校の「自習」をイメージしていだければわかりやすいと思います。
いったいどこまで許されるのかは責任を持てないので、スタッフの方に聞いてみていただければ幸いです。
リスタートで私に何があったか
所属の欲求の満足
まず、リスタートに通うことで「生きていていいのだ」という自己肯定感が生まれました。
それまで(家に引きこもっていたとき)は「このままではいけない、それでも何も行動するエネルギーがわかない」と思っていたのですが、なかば引っ張って連れてこられたこの事業所に利用者として所属することで、存在を認められた気がしたのです。
体調
プログラムを受けるため通所する中で、私は常に自分の体調と戦っていました。
「今日はなぜか動けない」
「頭痛や吐き気が止まらない」
そういったことが頻繁に起き、通所できない日がかなり多くありました。
なぜそうだったのか? 純粋に体が弱い部分もあるのですが、この文書の「通い始めた時の状態」の項でも申し上げた通り、精神的なストレスが体調に出やすいので、リスタートに通うこと自体のダメージに耐えられない日が出てきたのです。
就職に向けて何をしているか
就職はできましたが、まだ私の就職活動は続いております。
一番気になる部分だ、という方も多くいらっしゃるでしょうが、あまり多く語れることもありません。ご容赦ください。
パソコンのスキル
先に申し上げた通り、私には何の職歴もありません。
自信も体力も経験もないので、完全に手探りで職を探していくことになると思っていました。
ですが漠然と、通所しだしてすぐは「なるべく人と話さないで済む職業がいい」と思っていました。
よって、事務の職に就こうと、有利になるようにパソコンのスキルアップや資格取得を目指していこうという方針になりました。
具体的にはタイピング練習や、テキストを使った学習です。
私自身は試験を受けていませんが、模擬試験では合格ラインに到達する程度に勉強をつづけました。
登録販売者
しかし、ある日モニタリング(面談)中に所長から「登録販売者とかいいんじゃない」と勧められました。
登録販売者とは、ドラッグストアやコンビニ等で、一般医薬品の第2類~第3類を売ることができる専門資格です。
国家資格ですが、実務経験・学歴不問で、ある程度勉強をすれば合格が狙えるものです。
大変苦労しましたが、テキストやインターネット上の暗記用サイト、動画等を使い半年以上かけて勉強し、同時期に受験する利用者の方やスタッフの協力もあり、無事合格することができました。
勉強をしていくうちに、販売職に対して興味が生まれていきました。
というのも、存外、私という人間は、人と話すのが嫌いではなかったのです。
他者の満足する答えを導き出して提供するのが好きで、この欲求を満たしながら仕事をするなら事務より販売だろう、と思ったのです。
チャレンジ雇用
さて、それでは資格を活かして販売業に就職といきたいのですが、障害者にオープン(障害者枠)で用意された雇用条件で圧倒的に多いのは事務や清掃で、販売職はほとんどありませんでした。
よって私は「チャレンジ雇用」という制度を利用することにしました。
チャレンジ雇用とは、知的・精神障害者等を、1年以内の期間を単位として、各府省・各自治体に おいて、非常勤職員として雇用し、1~3年の業務の経験を踏まえ、ハローワーク等を通じて 一般企業等への就職につなげる制度です。
その制度を利用するために、軽作業試験と、面接を二度受けて、晴れて合格となり都の非常勤職員となります。
軽作業試験の内容については、興味があれば記録してあるのでスタッフの方に聞いてみてください。
ちなみに、この面接でパソコンのスキルがほんの少しだけ役立ちます。
つぶしがきくので、WordやExcelは学んでおくべきかもしれませんね。
チャレンジ雇用は「就職のための就職」であり、私にとってはまだ就職活動は終わりません。
目指す「登録販売者」としての就職に向けて、努力していきます。
おわりに
リスタートに通いだしてから、私はよく「明るくなった」と言われます。
それもそのはずです。
コミュニケーションスキルを学び、精神科にもかかり服薬し、見失っていた人生の目的も見つけ歩みだしたのです。
体全体から滲み出ていた暗いオーラも少しは晴れて見えるでしょう。
一応就職が決まったので、そのタイミングで卒業文なるものを書くように言われました。
ですが私にとって、リスタートに通って一番良かったことは、就職ではなく考え方が上向いたことです。
就労移行支援事業所でこんなことを言うと怒られるかもしれませんが……。
しかし、このリスタートには私のような漠然と意思はあるのに「就職に自発的になれない」人間でも迎え入れ、あくまでも「自発的に」働きたくさせてくれた実績があります。
所長やスタッフの方からのアドバイスはありましたが、「こういう分野で働け」とか「この方針で行け」とか強制されたことは一切ありません。
強制されると断固反発するタイプなので、それを察したうえで対応してくれていたのでしょう。
そういう方にも安心です。
リスタートは私の暗澹たる人生に指針をくれました。
自分を少しは客観視できるようになり、他者をある程度許容できるようになり、社交的になれた気がします。
2年弱を使って、数多くのことを学びましたが、特に自分という人間の輪郭が見えてきたことが大きいと思います。
自分のことをここまで見つめられる機会は、後にも先にもなかなかないでしょう。
人はその輪郭のことを特性と言ったり個性と言ったりしますが、大きく勘違いしたままで過ごしている人も、もしかしたら多いのではないかと思います。
願わくは、これをご覧になっている方の利用の円滑さにつながりますように。
大変お世話になりました。貴重な体験をさせていただき、本当にありがとうございました。
リスタートのますますのご発展をお祈り申し上げます。