紹介!コミュニケーションのテクニック ⑦ ~同意できない話でも「否定」はしない~
就労移行支援事業所 リスタート では、毎週月曜日にワークショップを、火曜日にはコミュニケーションプログラムをやっています。
これらは、社会で生きていく上で避けて通れない「対人関係」を円滑にするため、「コミュニケーションに慣れる」ことを目的としたプログラムです。
ここでは、良好な人間関係を築いていくために気を付けたいコミュニケーションのテクニックを紹介していきます。
同意できない話をされたときは
ある日、一緒に昼食を食べていた同僚から、「K課長が朝話してたことって、絶対間違ってるよねー」と話を振られました。
しかし、あなた自身はそうは感じておらず、内心「それは違うんじゃないかな・・・」と思っています。
こんなとき、どのように返答するのが良いでしょうか。
「そ、それは違うんじゃないの・・・?」
「私はそうは思わないなあ・・・」
なんて言いたくなるところですが、実はこれらの回答はあまり望ましくありません。
たとえ、自分が思っていることと違ったとしても、「私はそうは思わない」という否定の反応は、空気を壊す原因となってしまいます。
同意できない話を振られた時にまずして欲しいのは、「いったん受け止める」ということです。
「そっか、そんな風に考えているんだね」
「なるほど、そう思っているんだね」
というように、いったん相手の話を受け止めることで、その後の会話がスムーズになります。
自分の意見を伝えるにしても、いきなり反論するのではなく、上記のように一度受け止めてから「私は○○と思っているんだ」と伝えた方が、相手も受け取りやすくなるでしょう。
コミュニケーションの上では、正しいか間違っているかにこだわるよりも、相手の考えは相手の考えとして受け止めることが大事になるのです。
怒っている相手には、隠れている感情を見つけて共感する
以前、怒りの感情はリクエストである、とお伝えしました。
自分の中にある「ルール」やこうなるであろうという「予測」を相手が守らなかった時、それを変えてほしいというリクエストとして怒りの感情は現れます。
このとき、「ルール」や「予測」が守られなかったことにより、怒りの裏には別の感情が生まれています。
わかりやすい例としては、子どもの帰宅が遅いことに怒る親でしょうか。
「連絡もなく遅く帰ってくるなんて!」と怒っている母親の怒りの裏側には、どんな感情が潜んでいるでしょうか。
きっと、「事故にでもあったのではないかと心配で気が気でない」といった、「不安」な気持ちがあったのではないかと思います。
こういった裏側にある気持ちには、怒っている本人気づいていないこともあれば、本当はわかっているのだけれど、強がって怒りの感情を表にしている場合もあります。
どちらの場合にせよ、怒っている相手には、怒っていることそのものよりも、裏に隠れた感情に共感してあげることが重要です。
「それは悲しかったですね」
「悔しい思いをしたでしょう」
「つらいことがありましたね」
「それは戸惑いますよね」
「さぞ寂しかったでしょう」
このように、怒りの裏に隠れた気持ちを見つけ、寄り添いましょう。
もし、話していて相手の隠れた気持ちがわからなければ、相手に確認してみるのもひとつの手です。
「どんな気持ちになったの?」と聞いてみれば、相手も相手自身の気持ちを整理することができるかもしれません。