選択理論の考え方で問題に対処してみよう! ⑦ ~給与に不満がある~

就労移行支援事業所 リスタート のSSTの中で、「選択理論」という考え方を紹介しています。

今回も、選択理論の10の原理に基づいて、職場で起こり得る問題に対処する方法を紹介します!

選択理論の10の原理

(1)私たちがコントロールできる行動は唯一自分の行動だけである。
(2)私たちが与えることができるもの、他の人から受け取るものはすべて情報である。その情報をどう処理するかは、それぞれの選択である。
(3)長期に渡るすべての心理的問題は、人間関係の問題である。
(4)問題のある人間関係は、常に私たちの現在の生活の一部である。
(5)過去に起こった苦痛は私たちの現在に大きく関係しているが、この苦痛な過去に再び戻ることは、いま私たちがする必要のあること、すなわち現在の人間関係の改善には貢献できない。
(6)私たちは、遺伝子に組み込まれた欲求、すなわち生存、愛と所属、力、自由、そして楽しみ、これら5つの欲求によって駆り立てられている。
(7)私たちは、上質世界に入っているイメージ写真を満足させることによってのみ、こうした欲求を満たすことができる。
(8)私たちが誕生して死を迎えるまでにできることはすべて、行為、思考、感情、身体反応、これらのうちいずれかの行動である。
(9)すべての行動は、動詞、あるいは不定詞や動名詞によって表現され、最も認めやすい要素によって呼ばれる。
(10)すべての行動は選択されたものであるが、私たちが直接コントロールできるのは行為と思考だけである。

Case7:給与に不満がある

Kさんは、入社1年目の新入社員です。

希望していた通り営業部に配属されました。

入社前の説明で、この会社では成績に応じてボーナスが出ると聞いていたKさんはそれを大きなモチベーションとして努力し、同期の中でトップの成績を収めることに成功しました。

ところが、初めてのボーナスをもらったその日、偶然耳にした同期の会話から、1年目は成績に関係なく全員同額のボーナスが支給されたということを知りました。

Kさんは、成績は自分が最も良いにもかかわらず、周囲と支給額が同じであることに納得がいきません。

こんなとき、選択理論の考え方を使ってどのように対処することができるでしょうか。

選択理論で対処してみよう!

今回も、「満たされていない欲求は何か」「コントロールできるものは何か」に注目してみましょう。

まず、満たされていない欲求ですが、「力の欲求」であると考えられます。

自分の努力や成果が認められなかったと感じているのですね。

一方でボーナスの支給額という会社の仕組みは「コントロールできないもの」です。

そのため、「ボーナスで自分の成果を認めてほしい」と思っていても、気分は落ちるばかりなのです。

コントロールできることはいつも通り、自分の行動と未来のことです。

できる行動の1つとして、支給の指針を上司に聞きに行く、というのはアリだと思います。

ただしこれは、上司に直談判し、ボーナスを上げてもらう、ということではありません。

増額を要求してはいけないということではないのですが、「自分が求めている状況に変えさせる」のが目的ではなく、「相手の考えを知る」ことを目的とした方が良いでしょう。

1年目はボーナスが同額である理由や、以降の給与がどうなっているのかなど確認することができれば、感じ方が変わるかもしれません。

また、同期と比較するのでなく、営業部で働いている社員全体に視点を広げる、という方法もあります。

同期の中で成績が良かったと言っても、以前から働いている先輩などはより良い成績を残していることかと思います。

そんな先輩たちに追いつくことや、まずは部署内での平均に届くことなどの目標を設定することで、モチベーションとなることもあるかと思います。

 

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