ありのままに生きるための自己肯定感講座 ~その16 自分を受け入れる方法~

ポジティブな感情で、自分を愛せるように

  • 「落ち込んではいけない」「落ち込むなんてどうしようもない」と自分に否定的になる。
  • 「誰だって落ち込む」「嫌な気持ちはみんな一緒」と自分を奮い立たせる。
  • 他人の目線を気にして、本音を言えないことがある。
自分を大切にできないから「他人から大切にしてもらえないのでは」と心配になって、他人の顔色をうかがったり、本音を言えなかったり・・・
自分を大切にできるようになるためには、どうしたらいいの?

自分で自分を愛せる、という肯定的な言葉

自分を愛せないから、他人からも愛されない

自己肯定感が低いと、「他人に嫌われたくない」と強く思います。

嫌われたくないから、乗り気じゃなくても、嫌なことでも引き受けてしまって結果辛い・苦しいと感じてしまいます。

自己肯定感が低いということは、自分を大切にしたり、自分を愛したりもできないということ。

自分で自分のことを大切にできない状態では、「他人からも大切にしてもらえるはずがない」とも考えてしまうのです。

息苦しさ、辛さから抜け出すためには、自分で自分を愛せるようにならなくてはいけないのです。

ありのままの自分に触れる

自分のことを愛する、大切にする、というのは、何でもかんでも肯定をすればよい、というわけではありません。

むしろ、「憎い」「苦手」といったマイナスの感情を持つ自分のこともありのままの自分だとして、客観的に見て理解をするということです。

  • 私は、ミスをしたときにとてもネガティブになる。
  • 私は、わがままを言う子供を見ると、妬ましい気持ちを感じる。

これがマインドフルネスな状態ですね。

マインドフルネスな状態で、こういったマイナスの感情でも、「こういう時にこう考える」と客観的に理解したり、「こう感じる」とリアルタイムに気づいたり。

これは、「妬ましいと感じる」「ネガティブになる」ことを肯定も否定もせず、客観視できているということ。

これが、ありのままの自分に触れ、理解し、受け入れている状態でもあるのです。

ありのままの自分を受け入れることができるようになると、マインドフルネスな状態をキープしたまま「ネガティブなことを考えるのも自分だ」と受け入れ、愛することができる、ということでもあります。

ありのままを受け入れる、カウンセリングのテクニック

これは実は、カウンセリングのテクニックである「傾聴」と同じこと。

傾聴というのは、「相手の立場になって、共感を示しながら聞く」ということ。

ミスをして落ち込んだときの傾聴

例えば、ミスをしてしまって落ち込んでいる状態で、カウンセリングを受けたとしましょう。

自己肯定感が低い状態で、ミスをして落ち込んでいる自分に向き合うと「ミスをしたからと落ち込むなんて、自分はダメな人間だ」とネガティブに考えるでしょう。

一方、何でもかんでも肯定してしまうと「誰だってミスをするから、自分を責めなくても大丈夫だろう」と考えます。

しかし傾聴という、ありのままを受け入れる状態では「ミスをしてしまった自分に、落ち込んでしまっているのだ」という観察になります。

ミスを指摘されて、嫌な気持ちになったときの傾聴

また、「こんなにミスをして」と指摘されてしまい、落ち込んだり、悔しいと感じているとしましょう。

自己肯定感が低い状態では「そんなことで落ち込んでいるなんて、自分はどうしようもない」と考えるでしょう。

自分を肯定すると「指摘されたら悔しいと感じて当然のこと、だから大丈夫だ」と考えます。

ここで傾聴のテクニックを使うと、「ミスを指摘されたことを、とても悔しいと感じている」という実況になります。

その時の感情に流されないことが大切

いかがでしょうか。

お気づきかもしれませんが、肯定・否定というのは、その時々の感情が、肯定・否定の判断に影響を与えていますね。

「そんなのはダメだ」と否定するのも、「これくらい問題ない」と肯定するのも、感情が肯定・否定を判断しています。

これは、マインドフルネスな状態ではありませんね。

マインドフルネスな状態では、「こう感じている」「こう考えている」という客観視ができるもの。

肯定・否定は、ありのままを受け入れる状態ではなく、感情に流されているということでもあるのです。

カウンセリングなどでは、「スッキリする」「安心する」ということをよく耳にします。

これは、自分の話をきちんと聞いて、肯定も否定もしないで理解・共感してもらえるから、安心してその環境にいることができるから。

肯定も否定もせず聞いてもらえる安心感が、落ち込みやイライラからの回復をサポートしているわけです。

自分を愛するために、ネガティブも受け入れる

感情によって、「ネガティブだからダメ」「ポジティブだからいい」と判断をしているとどうなるのでしょうか。

「ポジティブに処理できたから偉い」と思うと同時に、「ネガティブになってしまうのが怖い」「ネガティブになる自分を見たくない」という考えも生まれてくるでしょう。

これでは、自分を愛することができないまま、「ポジティブでいなくてはいけない」と自分を縛り付けてしまいます。

しかし、マインドフルネスな状態になり、自分の気持ちを肯定も否定もせず、ありのままの自分を客観視できたらどうでしょう。

自分が自分を否定も肯定もしないから、安心して本心を見つめることができるようになるのです。

自分を肯定することは悪いことではありません。

しかし、まずはマインドフルネスな状態になり、「ミスをして落ち込んでいる」と自分を客観視することです。

このマインドフルネスな状態こそ、「そんな自分も、間違いなく自分」と自分を受け入れて肯定するために必要なものなのです。

 

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