自分の人生を支配している「思い込み」 ⑨ ~思い込みをチャート分析する~
就労移行支援事業所 リスタート では、毎週金曜日に自己分析講座をやっています。
自己分析講座では、「自分を知り、人に説明できるようになること」と、「自分で自分にかけてしまっている『制限』に気づき、苦手を克服すること」の2点を軸に分析を進めています。
ここでは、自分について知り、『制限』から抜け出すために、「思い込み」というものについて考えていきたいと思います。
思い込みの根源を突き止める
ネガティブな気持ちになるような思い込みを変えるためには、根源的な思い込みを見つける必要があります。
多くの場合、思い込みは他の思い込みを基にして生まれてきます。
大本にある思い込みを変えなければ、それより表面にある思い込みを見直すことはできません。
そこで、根源的な思い込みを突き止めるための方法を紹介していきたいと思います。
抱えている問題をリスト化する
思い込みを突き止める上でまず必要となるのは、自分が抱えている対人関係などの問題や、それによってかかっている心理的なストレスといったものを洗い出すことです。
とはいえ、自分の抱える悩み、問題を書き出すというのは、決して簡単な作業ではないと思います。
まずは考え込まず、箇条書きで思いつくものをリスト化してみましょう。
・サンプル
・本番になると緊張し、失敗する
・だるさや疲労感などがあり、あまり体調が優れない
・社内で嫌われている気がする
・仕事で大きなミスをしてしまった
・このままでいいのか、将来に不安がある
思い込みをチャート分析する
問題が見えてきたら、それをチャート化することでその大本となる思い込みを探していきます。
まず、リストに挙げられた問題の中から解決したいものを1つ選びます。
次に、その問題が「なぜ」起こるのか。根拠や原因となるものを展開していきます。
上がった根拠や原因にさらに「なぜ」を繰り返し問いかけていきましょう。
先ほどのサンプルの中から、「本番になると緊張し、失敗する」というものを例に挙げてみましょう。
起点:「本番になると緊張し、失敗する」
↓なぜ?
プレゼンが上手くいかなかった
↓なぜ?
人前に出ると緊張する
↓なぜ?
幼稚園のころ、発表会で笑われてから緊張するようになった
また、各項目に繋がるものは1つとは限りません。
先ほどの例であれば、
プレゼンが上手くいかなかった
↓なぜ?
いつも「失敗するだろう」と予想してしまう
↓なぜ?
小さいころ、失敗する度に親に「あなたはダメな子ね」と言われていた
といったルートもあるかもしれません。
他にも、例えば「自分はモテない」という悩みを抱えていたとして、その原因には「顔に自信がない」「今まで恋人ができたことがない」「異性と話すのが苦手」といった様に、多くの「なぜ」が出てくることもあると思います。
そうして、出てきた要素の「なぜ」をまた探し、時にはまったく別に伸びていったルート同士が関連して繋がり合うこともあるでしょう。
このチャートに正解図はありません。
正解の形を目指すのではなく、自分の考えを支えている多くの「思い込み」を見つけることが、このチャートの目的なのです。
過去に起きたことは事実であり、思い込みではないでしょう。
しかし、その起きた事実に対して自分が持った印象や、「こういうものなのだ」という考えは、いずれも自分の推測、思い込みなのです。
次回の記事で、連鎖する思い込みの中から根源を見つけ出す方法についてお伝えしたいと思います。