自己分析「構えを確認するための”ゲーム”」

自己分析講座

現在、高田馬場の就労移行支援事業所 リスタートでは、リモートによるプログラムを行っています。

自己分析のプログラムでは、人生をグラフにして分析を行いました。

復習:4つの基本的構え

前回の自己分析講座で、人それぞれが持っている人生に対する「基本的な構え」というものを紹介しました。

自分も相手も肯定する「私もOK」「あなたもOK」の構え

自分に対しては否定的だが、他者のことは肯定する「私はNG」「あなたはOK」の構え

自分に対しては肯定的だが、他者のことは否定する「私はOK」「あなたはNG」の構え

そして自分も相手も否定してしまう「私もNG」「あなたもNG」の構え

禁止令から作られていくこれらの構えは、他者との関わり方に大きな影響を及ぼします。

今回は、これらの構えがコミュニケーションにおいてどのように影響するのか、いくつかの例を紹介していきます。

構えを確認するための”ゲーム”

ここでいう”ゲーム”とは、「報酬を得るためにある行動を繰り返す」ことを意味します。

例えば、「お金を得るために仕事をする」「愛情を得るために恋愛をする」こともゲームであると言えます。

しかしときには、このゲームというものが他者に悪影響を与えたり、その結果人間関係を壊す原因になってしまう場合があります。

その一例が、自分の持つ構えを確認するためのゲームです。

他者とのかかわりの中で、「自分はNG」の構えを持つ人が「やはり自分はダメなんだ」と感じることで安心したり、「あなたはNG」の構えを持つ人が「やはり相手は間違っている」と感じることで安心しようとすることがあるのです。

実際に行われるゲームとしては、以下のようなものがあります。

自滅・自罰のゲーム

「私はNG、あなたはOK」または「私はNG、あなたもNG」の基本的構えを持つ人が行うことがあるゲームです。

ルールを破る、注意されても繰り返すなどといった行為で、相手の嫌悪や怒りといったネガティブな感情を引き起こします。

これらは意識的に行うわけではなく、なんとなく動けない、なんとなく守れないというように、自分では理由がわからないままにやってしまっている場合があります。

こうして相手からネガティブな感情を向けられることで、自分のダメさを確認し、自分を罰することこそが、実は報酬となってしまっているのです。

攻撃・他罰のゲーム

「私はOK、あなたはNG」または「私はNG、あなたもNG」の基本的構えを持つ人が行うことがあるゲームです。

何かと理由をつけてクレームを入れる、小さなことで文句を繰り返す、相手の揚げ足を取ろうとするなど、相手の失敗や欠点を「あら捜し」し、攻撃してしまいます。

相手を否定するため、一見攻撃的で自信過剰に見えるゲームですが、「私はNG」の構えの場合は実際には自分自身に対しても否定的であり、自信を持てないがために、相手を攻撃することによって自分を守ろうとしている場合もあります。

責任回避のゲーム

「私はOK、あなたはNG」の基本的構えを持つ人が行うことがあるゲームです。

試験に落ちたら「勉強する環境じゃなかった」試合で負けたら「グランドの状況が悪かった」指示が間違っていると言われたら「相手の聞き方が悪かった」

このように、自分の責任から逃げようとすることが特徴のゲームです。

もしも、それらが真実の一端であったとしても、試験に落ちたのは勉強不足、試合で負けたのは練習不足、指摘を受けたのは自分の指示の誤りと、自分の責任があったこともまた事実であるはずです。

しかし、「私はOK」の構えに執着し、他者を認める謙虚さを持てないことから、責任を自分以外のものに押し付けようとしてしまうのです。

 

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