祝日プログラム「DESC法で怒りを伝える」

祝日プログラム

本日は、就労移行支援事業所 リスタートの祝日開所日!

祝日特別プログラムとして、DESC法の紹介をしていきます。

DESC法で相手に伝える

DESC法とは、「アサーション」と呼ばれる自分も、相手も大切にするコミュニケーションを目指すための会話法です。

怒りの感情の裏には、必ず「こうして欲しい」といったリクエストが存在します。

それを相手に伝えるのは悪いことではないのですが、怒りのままに発言してしまうと、言葉や態度が攻撃的になってしまい、相手との関係を悪くしたり、自分の立場を悪くしたりしてしまいかねません。

DESC法を使えば、自分の主張を伝えるだけでなく、相手の主張も尊重する表現ができるため、相手も受け入れやすくなります。

DESC法とは、以下の4段階の略称です。
Describe:客観的に情報を描写する
Explain:自分の主観的な気持ちや考えを説明する
Suggest:相手の望む行動や解決策を提案する
Choose:相手の肯定的、否定的反応をそれぞれ予測し、否定の場合は代替の選択肢を示す

ステップ①:Describe

その時の状況をとにかく客観的に描写します。

ここでのポイントは、「自分から見た状況」ではなく、自分から見ても、相手から見ても、第三者から見ても共通する「事実」のみを伝えるということです。

例を出してみましょう。

打ち合わせの約束をしていた相手が、時間に遅れてきました。

ここで、「遅れるのに連絡しないなんて、ありえないでしょう!」と伝えたとしたら、どうでしょうか。

相手は、「でも」「だって」「こういう事情で」「仕方がなくて」と言い訳を始めてしまうかもしれません。

なぜかといえば、「遅れるのに連絡しないなんてありえない」というのが、「自分自身の考え」であって、だれにとってもあてはまる「事実」ではないからです。

事実ではない考えを、あたかも事実であるかのように突き付けられると、人は反発してしまいます。

もしもここで、「打ち合わせは、13時からだったよね」と言っていたとしたらどうでしょう。

指定していた時間は変えようのない事実であるため、相手も「確かにその通り」と否定はせず、話を聞く姿勢に入るはずです。

ステップ②:Explain

相手が話を聞きやすい状況をつくったら、今度は自分の考えや気持ちを伝えます。

ここは、自分のことなので主観的でOKなのですが、気をつけて欲しいポイントが一つあります。

それは、「あなたが○○だから」というような、相手を主語とした言い方はせず、「自分は○○だ」という自分を主語とした言い方をすることです。

前者の、相手を主語とした言い方を「Youメッセージ」、後者の言い方を「Iメッセージ」と呼びますが、Iメッセージには、言い方を和らげ、相手に受け入れてもらいやすくする効果があります。

先ほどの例の続きですが、遅刻してきた相手に対して、「あなたがだらしないからこんなことになったんだ!」と伝えたらどうなるでしょうか。

おそらくはまた、反論や言い訳を呼んでしまうことでしょう。

しかしここで、「あなたを待っていたことで、打ち合わせの時間が遅れてしまい、私は残念に思っています」という伝え方をしたならどうでしょうか。

あなたの感じ方はあなた自身のものであるため、そう聞いた相手も、「そんな風に感じたりはしないはずだ!」なんて反論はしてこないはずですね。

ステップ③:Suggest

今後同じ状況になった時、相手にどんな行動を取って欲しいか。

怒りの裏に隠れていた、”リクエスト”の部分を説明します。

ここでは、重要なポイントが2つあります。

まず1つは、具体的、かつ実行可能な提案を行うこと。

悪い例として挙げられるのが、「ちゃんとしてください!」という言葉です。

実は、この言葉は非常に漠然としており、具体的にして欲しい内容が全く含まれていません。

もう1つのポイントは、提案の形で伝えること。

「次からは、○○してください!」というように指示や命令の形で伝えたくなってしまうかもしれませんが、このような言い方は、「自分の考えを無理やり押しつけようとしている」ように感じられて悪印象です。

そこで、「○○の場合は、××をしてもらえないでしょうか?」といった形で伝えられれば、相手も受け入れやすくなるはずです。

ステップ④:Choose

DESC法は、自分の意見を相手に飲ませるための方法ではありません。

提案した結果NOと言われる可能性も、もちろんあるでしょう。

その場合のことも想定して、答えがNOであった際に代わりとなる提案も用意しておきましょう。

 

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