「失ったこと」に意味を見出す

土曜プログラム

本日は、就労移行支援事業所 リスタートの土曜開所日!

特別プログラムとして、「悲しみ」の感情に目を向けてみました。

「失ったこと」に意味を見出す

悲しみは、「自分の大事なものを失った」とき、それを受け入れ、次の行動に移るために浮かんでくる感情です。

このとき、「大事なものを失った」という事実そのものを変えることはできませんが、「起きた出来事をどう捉えるか」ということについては、自分で選ぶことができます。

「なんでこんなことに・・・」と嘆き続けるのではなく、そこに意味を見出すことで、人は悲しい出来事を自分の成長に結びつけることができるのです。

今回は、失ったことに意味を見出す方法として、5つの方法を紹介します。

① 「いいところ」を探す

1つ目は、その出来事から肯定的な気づきを得ることです。

・職場の状況や人間関係のことについて再認識できたこと
・その出来事を経験したことで自分が身に着けたもの
・失ったことで出てきた新しい可能性

などに目を向けてみましょう。

「今このタイミングでその出来事が起こったことが、どんな意味を持つのか」
と、出来事の持つメッセージを考えてみるのも良いでしょう。

② 理にかなっている面に目を向ける

その出来事の中に、少しでも理にかなっているところがないか探してみるという方法です。

自分にも納得できるところを見つけられると、自分の中の拒否的な反応が減り、相手に歩み寄りやすくなります。

また、理にかなった面を押さえた上で、「やっぱり、この部分は元のままがいい!」といった提案ができたならば、周囲からも「ただ古いやり方にしがみ付いている柔軟性のないヤツ」ではなく、「よく考えられた提案」であると受け取ってもらえることでしょう。

③ 自己理解につなげる

悲しみは、時に自らのことを知り、今後に活かしていく契機となる場合もあります。

自分に適性や能力がないと感じ、自信を失くしてしまったときには強い悲しみを感じますが、捉え方を変えれば、自分の苦手なところや弱いところに気づけたということです。

それを克服するためにはどうするかを考えることもできますし、はたまた「それでは、自分の得意なことを活かせるのはどんな仕事なのだろう」と分析していくのも良いでしょう。

④ 役割や目標を再設定する

③に通じる話ですが、自分の強みや弱み、得意や不得意にあわせて自分の目標や役割を設定しなおすことで、「苦手なことを、つらい思いをしながらやり続ける」という不幸なマッチングから抜け出せる可能性が出てきます。

単に捉え方を変えるだけでなく、新しい役割や目標に合わせて行動を変えていくことで、職場の中で新しいアイデンティティを築くこともできるかもしれません。

⑤ 自分をほめる

例えば、「周りからの評価が得られない」ことが悲しい理由であるようなときには、厳しい環境の中でよくやっている自分の頑張りに目を向けるのも1つの方法です。

仕事の中では、「結果を出した時」にしか評価されないものですし、その評価自体、自らの望んだ通りになるとは限りません。

たとえ成功していなくとも、周りから評価してもらえなくとも、工夫したこと、努力したことを「残念だったけど、よく頑張った!」と認めることも重要です。

自分で自分をほめるのが難しいというときは、他者からほめてもらう機会を自分で作るというのも一つの手。友人と、共にお互いの頑張りを認め合うのも良いでしょう。

例)上司から利益を優先するように言われた時、自分のやりたい仕事と違うと感じ、悲しくなった。

① 「いいところ」を探す
・「お客様に喜ばれることが達成感や喜びに繋がっていた」という自分の働きがいに気づけた
・価値観の違う部長の元で工夫することで、新しい視点を得られるかもしれない

② 理にかなっている面に目を向ける
・継続してお客様に喜んでもらうためには、利益を上げる必要性があるのは確かである

③ 自己理解につなげる
・お客様にどうすれば喜んでもらえるかを考え、実践することは得意な一方で、会社が求めている利益を上げる
方法については疎い

④ 役割や目標を再設定する
・引き続きお客様に喜んでもらうことを意識しつつ、会社への貢献にも目を向けられるようになることを目指す

⑤ 自分をほめる
・確かに、利益は上げられていなかったかもしれないが、自分の対応により喜んでくれたお客様がいたのは確かだし、ちゃんと頑張っている。