認知行動療法講座「新しいスキーマを定着させる」

認知行動療法講座

前回は、スキーマを変えるため、「メリット・デメリット分析」に挑戦しました。

今回は、古いスキーマと決別し、新しいスキーマを定着させるための方法について紹介していきます。

新しいスキーマを定着させる

前回、メリット・デメリット分析を使い、新しいスキーマを見つける練習をしました。

新しいスキーマを見つけても、すぐにその考え方に切り替わるかと言えば、そういうわけではありません。

むしろ、元々持っていたスキーマの方が自分にとっては長く信じていた考え方であるため、スキーマを変えるのにはとても時間がかかります。

しかしそれでも、少しずつ考え方を変えていき、新しいスキーマを定着させていく必要があります。

そこで役に立つのがPDL(ポジティブ・データ・ログ)です。

やり方は簡単で、新しいスキーマの根拠となることを、1日1行ずつ記録していくだけです。。

記録する出来事は、どんなに些細なことでも構いません。

注意点として、「こんなことは誰にでもできる」などの自己批判的な視点は避けてください。

こういった「マイナス化思考」を持っていると、低い自己評価からは抜け出せません。

うまくいったこと、うれしかったことなどを、素直に書き留めていくことが大切です。

PDLの例

古いスキーマ:私は誰からも必要とされない人間だ。
新しいスキーマ:私のことを必要とする人、好きだと言う人は何人もいる。

上記のようにスキーマを変えようとしている場合、以下のような場面を書き出してみると良いでしょう。

○月○日:職場の同僚からランチに誘われた
→私と一緒に食事をしたり、話したりしたいと言う人が職場にもいる。
○月○日:実家の母から電話があり、「たまには顔を見せてね」と言われた。
→私のことをいつも気にかけ、会いたがっている両親もいる。
○月○日:上司が帰り際に、「月曜のプレゼン、頼むね」と言った
→上司に信頼され、大切な仕事を任されている。
○月○日:公園に犬の散歩に出かけたら、顔見知りの犬の飼い主に話しかけられた。
→たまにしか会わなくても、私のことを覚えていて、好感を持ってくれている人がいる。

 

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