リス太と学ぶ認知行動療法 ~認知行動療法ってどんなもの?~

今日からは、毎週土曜日のブログで「認知行動療法」について書いていくよ!
認知行動療法・・・?うーん、聞いたことがあるような・・・。
先月には、ストレスコーピングの記事で少し説明したね。

 

認知の歪みについての記事の中で、認知療法について触れたこともあるよ。
なんとなく思い出してきた・・・けど、まだよくわからないかも。
それじゃあ、第一回目の今回は、改めて認知行動療法とはそもそも何なのか、一緒に勉強しよう!

認知行動療法ってどんなもの?

認知行動療法は、一言でいえば、「認知」に働きかけることでストレスを軽減し、心を楽にしていく治療法のことだよ。
そもそも、認知ってどういう意味なんだろう? えーと、辞書で調べると・・・「これこれと認めること」? なんのことだかサッパリだよ!
そうだね。認知とは、現実をの受け止め方というか・・・もっと簡単に言えば、「ものの見方」のことかな。
ものの見方?
うん。例えば、犬を見た時に、犬が好きな人なら「可愛い」って思うところを、犬が苦手な人は「怖い、襲われるかもしれない」って思うかもしれないでしょ? そういう風に、同じ状況になった時にどう感じるかは人それぞれなんだ。
そうか!それが「認知」の違いになるんだね?
その通り! そして、認知行動療法で大事なのは、認知のうちの「自動思考」と呼ばれるものなんだ。
自動思考かぁ。うーん、名前からなんとなく意味がわかるような、わからないような・・・。
自動思考とは、何かしらの出来事が起こった時、瞬間的に浮かぶ考えやイメージのことだよ。さっきの犬の例も自動思考と言えるね。
おー、なるほど! 何かが起きた時に、自動的に浮かんでくる思考っていうことだね!

 

でも、どうしてその自動思考に注目するの?
K君は、仕事が忙しくて疲れてしまっている時、悲観的に物事を考えてしまった経験ってないかな?
言われてみれば、大変な仕事でボロボロになってる時って、ついついネガティブなことを考えがちかも・・・。
実は、強いストレスを受けていたり、うつ状態になってしまっている時は、認知に歪みが生じて、悲観的に物事を捉えてしまいがちになるんだ。

 

そして、悲観的な認知はさらにストレスを受けたり、うつを強めることに繋がってしまい、心が問題を解決できない状態になってしまうんだよ。
そんな・・・!なんとかならないの?
それをなんとかするのが認知行動療法なんだ! 認知が歪んでいる部分に目を向けて、現実との食い違いを修正していくことができれば、心も元気になっていくんだよ。
認知を変えることで、心の状態も変化していくんだね。
そうなんだ。気持ちは、考え方に左右されるんだよ。

 

さっきの例でいえば、犬を見て、「可愛い」と思えば幸せな気持ちになるけど、「襲われるかもしれない」と思えば恐怖を感じるみたいにね!

認知行動療法と、認知療法や行動療法ってどう違うの?

認知行動療法についてはなんとなくわかったけど、実は一つ、聞きたいことがあったんだ。
なにかな?
認知行動療法と、認知療法、それから行動療法。この3つはどれも聞いたことがあるんだけど、違うものなの?
うーん、そうだね。実は、どれも似たところがたくさんあるし、実際の治療法も同じ内容があったりするんだけど・・・。

 

それらの違いは、アプローチは似ていても、元となる理屈が違うっていうのが一番わかりやすいかな?
あれ?そうなんだ。名前からすると、認知療法と行動療法はまったく別のものに見えるけど・・・。
そうだね。認知療法と行動療法の2つは、名前の通り、「認知」と「行動」にそれぞれ重点を置いた治療法なんだ。

 

つまり、認知療法はどのように認知しているために、どんな感情に繋がっているのかということを元に治療していて・・・

 

行動療法は、問題となっている行動は何かを見て、望ましくない行動を減らしたり、望ましい行動を増やしたりすることが目的の治療だよ。
んん?それだけ聞くと、やっぱり全然別のものなような・・・。
確かにそう見えるよね。でも、考えてみて?認知の歪みで感情が動くと、それに伴って行動も起きるよね?
えーと、うん。そうだね。犬の例で言うなら、可愛いと思ったら撫でるけど、怖いと思ったら逃げる、みたいな感じかな?
じゃあ逆に、行動が起きる原因ってなにかな? 犬の例で考えてみて?
そりゃあ、撫でるという行動は可愛いと思ったのが原因で、逃げるという行動は怖いと思ったのが原因だから・・・あっ!
その通り! 認知に注目するか、行動に注目するかの違いこそあれど、重点を置いているところが違うだけで、実はよく似た治療法なんだよ。
なるほど!だから、理屈は違うのに似たアプローチになるんだね。
そうそう。そして、うつや不安症などの精神疾患に対しては、認知療法と行動療法をセットで行った方が良い、という考えから、この2つの治療法を合わせたものが「認知行動療法」なんだよ。

 

ちなみに、治療の方法としては、認知療法は認知の歪みを修正して考え方を変えることで治療するのに対して、行動療法は実際に身体を動かすことで正しい行動に修正していく、というようなやり方になるよ。

 

そして認知行動療法は、これらを合わせたものなので、認知の歪みを修正した上で、実際に行動に移してみる、という形になるんだ。

 

就労移行支援事業所リスタートでは、SSTなどの時間に、認知行動療法を用いたプログラムも行っています。

次回からは、家で自分でやることができる認知行動療法の紹介をしていきます。

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