リス太と学ぶ認知行動療法 ~証拠を探す技法~

前回までの「リス太と学ぶ認知行動療法」はこちらから

前回は実験技法についてだったね。
実験してみることで、否定的思考が正しい物なのかどうかを試す、というものだったね。。
今回は、「証拠を探す技法」についてやってみるよ。
否定的思考の歪みを見つける新しい方法だね? 今日もよろしくお願いします!

 

証拠を探す技法

否定的思考に対処するための証拠っていうことは・・・否定的思考を裏付けるような証拠を探せばいいのかな?
うん、その考え方でOKだよ!
でも、もう1つ証拠を探さないといけないものがあるね。
えっ?なんのことだろう。
否定的思考に反論する証拠だよ!
自分の考え方が正しいという証拠と、正しくないという証拠を両方探して比べてみるんだ!
なるほど! やってみるよ!

 

私はなんでも先延ばしにする人間だ。期限内に何も済ますことができないような気がする。いったい私のどこが悪いんだろう?

 

よし、まずは、証拠を探すために、自分に問いかけてみよう。
えーと、そうだな。
「すべてを先延ばして、何も期限内に済ませられないっていうのは本当?その証拠はどこにある?」
よし、そうしたら、今日起きてから今までのことを挙げていってみよう。
時間通り起きられた?寝間着から着替えるのを先延ばしした?トイレに時間通りに行った?歯磨きを先延ばしした?コーヒーは時間通りに飲んだ?
うん、その辺りはいつも通りだったよ。コーヒーの時間は多少ずれたかもしれないけど。
と、いうことは、ほとんどのことが時間通りに行われているってわけだね。
すべてを先延ばしにするっていう主張は、ほとんど真実ではなかったわけだ。
うーん、いまひとつ納得できないような・・・
そういう、日常的なことはできても、重要なことはすべて先延ばしにしちゃうってことじゃないかな。
ようし、それなら、今度は否定的思考の証拠を探してみよう!
今までの人生で起きた、非常に重要な出来事を挙げていくとどうかな?
非常に重要な出来事かあ・・・ええと、どんなものがあるかな
この世に生まれてきたこと、生まれて最初に呼吸すること、歩けるようになったこと、話せるようになったこと・・・どうかな?時間通りにできた?それは本当に大事なこと?
うっ、そういう例を出されると、確かに遅れてばかりではないけど・・・
うん、それでいいんだよ。
認知が歪んでいると、「全部が○○なんだ」なんて風に思いがちだけど、そうではない例を挙げていくことで反論することができるんだ。
多くのことを先延ばしにしてしまっているのがたとえ真実だとしても、その範囲を誇張してしまったら、自分を悪く考えてしまうだけで、得られるものはないんだね

 

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