コミュニケーション「リスタートのプログラムを追加するとしたら?」/認知行動療法講座「認知の歪みから見つかる反証」

コミュニケーションプログラム

火曜日のコミュニケーションプログラムでは、主として「雑談」にフォーカスした練習を行います。

働いていく中で必要なコミュニケーション能力は、必ずしも業務上の会話だけというわけではありません。

雑談によってお互いのことを知っていき、関係を築いていくことで、働きやすい環境を整えていくことができるのです。

今回のテーマは「リスタートのプログラムを追加するとしたら?」です。

今回の皆さんの意見はこちらになります!

  • 電話応対
  • 面接練習
  • 軽作業
  • ストレッチなどの運動

みなさんの就職支援をより良く行うため、今回頂いた意見を参考にプログラムを見直していきたいと思います!

認知行動療法講座

前回は、第4と第5のコラムである、根拠と反証についての話をしました。

今回は、自動思考に含まれる認知の歪みから反証を見つける方法について紹介していきます。

認知の歪みから反証を探す

前回、根拠と反証とは、自動思考の「事実に基づいた部分」と「思い込みで悪くとらえている部分」である、と話しました。

反証を探す方法はいくつかありますが、その中の1つとして、認知の歪みから見つけるというものがあります。

第3のコラムで自動思考を見つけた後、その自動思考にどのような認知の歪みが含まれているか探したことを覚えておりますでしょうか。

そこで見つけた認知の歪みは、いずれもネガティブな気持ちが浮かぶことに繋がる思い込みです。

それぞれの認知の歪みに対して、以下のようにすることで反証を埋めることができます。

1.白黒思考

・数値化してみる
成功か失敗かの二分化して考える白黒思考は、言い換えれば物事に100点か0点かのどちらかの点数しかつけていない状態です。

そこで、そこで起きたことに0と100以外の点数を意識してつけることで、グレーゾーンが見えてきます。

・減点方式でなく、加点方式で考える
白黒思考の強い人は、物事を評価するとき、理想とする100%から減点していく方式で考える傾向があります。

そのため、うまくいかなかったことばかりが目につき、その物事は失敗だ、という評価になってしまうのです。

そこで、何もできなかった0%の状態をベースにできたことを加点していってみることで、うまくいったこと、できたことが見えてきます。

2.極端な一般化

例外を見つける
極端な一般化には、「絶対」「みんな」「いつも」などのすべてまとめてしまう言葉や、それに類するものが含まれています。

そこで、過去に起きた事実の中などからその言葉に当てはまらない、”例外”を見つけ出すことで、一般化によって視界から外されていた事柄が見えるようになります。

3.心のフィルター

・良かったこと、上手くいったことを探す
あったはずの良いことが見えなくなってしまっているので、見逃しているプラスのポイントを見つけることが重要です。

・メリットとデメリットを考える
物事のデメリットのみに目を向けてしまっていることがあるため、そのことによるメリットはないのか探してみることでフィルターをかけて見えなくしていた良い部分が見えてくることがあります。

4.マイナス化思考

・良いことは良いことであると受け入れる。
プラスに繋がる捉え方を自分で否定してしまっているため、それに気づき、素直に良いことと受け取る必要があります。

5.結論の飛躍

・他の可能性を考える
数ある可能性のうちの1つである悪い想像を事実と受け止めてしまっているため、他にどんな可能性があるかを考えてみましょう。

可能ならその可能性を裏付ける事実を見つけられればより有効な反証となります。

6.過大評価・過小評価

・数値化するなどして客観的に評価する

過大評価・過小評価は、自分のことを実際よりも悪く捉えたり、他者のことを実際よりもよく捉えたりといった特徴がありますが、これは0か100かで評価してしまう白黒思考に近い特徴です。

そのため、反証の作り方も同じ方法が適用できます。

自分の行動と他者の行動それぞれについて、現実的な良かった点と悪かった点の双方に目を向けて点数付けをしてみましょう。

7.情緒的な理由づけ

・他の可能性や選択肢を考える
情緒的な理由づけは、感情に振り回されてしまった結果、一つの可能性しか見えなくなってしまっている状態と言い換えることができます。

これは、根拠なしに悪い可能性を信じ込んでしまう結論の飛躍に近い特徴であり、同じ方法で反証を探すことができます。

周囲を取り巻く事実に目を向け、こうだと決めつけた事柄以外に可能性はないか探してみましょう。

8.べき思考

・”べき”に反論する
べき思考は、自分自身で作り上げてしまった自分を制限するマイルールです。

「誰がそう決めた?」「必ず従わなければいけないのか?」「従わなければどうなる?」等と自分に問いかけてみることで、必ずしもそうでなければならないという考えから抜け出すことができます。

9.レッテル貼り

・レッテル以外の部分に目を向ける
レッテルを貼ると、そのレッテルに沿った部分にしか目が向かなくなってしまいます。

一面的にしか見ていないことを自覚し、レッテルにそぐわない部分に目を向ることで反証を見つけることができます。

・レッテルは自分が作った思い込みであると考える
性格や性質といったものは、自分でそういうものだと思い込み、その通りに行動しているに過ぎないと考えることで、レッテル外の部分が見えやすくなります。

10.自己関連付け

・自分の弁護
自分を弁護士に見立て、もう一人の自分を被告人に見立てて弁護してみるという方法です。

「自分のせいだ」という思い込みに対して、本当にそうといえるのか考えてみてください。

・選択肢を増やす
結論の飛躍と同じく、自分のせいであるという決めつけから抜け出すための方法です。

自分のせいじゃなかったとしたら、どんな可能性があるのかを考えてみましょう。

 

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