発達障害ってどんな病気?⑪~大人の注意欠如・多動性障害(ADHD)~

 

 

第59回 教えてリス太くん

前回に引き続き、

ADHD(注意欠陥・多動性障害/注意欠如・多動症)についてだよ!

今日は、大人のADHDの特徴を見ていくね!

大人のADHD(注意欠陥・多動性障害/注意欠如・多動症)の共通点

 

1.子どものころから悩んでいた

高校や大学でつまずき、社会人になってから、

自分がADHDだと気づき初めて大きな壁にぶつかる人も少なくありません。

2.集中できない

「注意散漫」、ADHDの特徴のひとつです。

物事に集中できないために仕事や課題が進まない

ミスをしやすくなったりし、結果として低い評価しか受けられなくなります。

 

ADHDは、通常「不注意」「衝動性」「多動性」の3つの症状が強く表れますが

そのうち「不注意」は大人になっても残ることが多いそうです。

 

刺激に過剰に反応してしまい気が散ってしまうため、人と会話している時に

無意識のうちに集中が切れてしまい、話が頭に入ってこなくなることがあります。

気が散ることはふつうの人にもありますが、ADHDの場合は度が過ぎています。

 

不注意のために労災事故を引き起こしたり、交通事故や事故に遭う危険性が高いです。

怪我をする要因は不注意以外にもあります。

発達障害のある人は、脳の中で思い描く、自分の体の部位の位置やその動きかたなどの

ボディイメージすることが弱く、危険のないように動いたつもりでも

どこかにぶつけて怪我をしたりしがちです。

 

興味のあることには強く集中する過集中と、集中できないことの落差が激しいため、

「やればできるのに」と誤解を受けやすいです。

 

これらの症状は前頭前野の血流量が通常の人より少なく、

自分の注意や感情、行動の実行機能のコントロールがしにくいというデータがある事からも

考えられるのかもしれません。

 

 

3.計画的にできない

ADHDの人は、複数の課題や作業を並行して進めることが苦手です。

いくつかの課題や仕事を優先順位をつけ、それをどの順番で

どのくらいの時間をかけていくか、段取りを組むことが苦手。

いろいろなことに目移りしやすく、複数の作業を一度にかかえて、

同時にやりたがる傾向があり、どれも中途半端に手をつけて結局完成できません。

提出期限が迫ってもゲームがやめられなかったりします。

自分の興味や関心のあることにすぐ取りかかり、つまらないものは後回しにしてしまいます。

このような特性から、「自分勝手な人」「気分屋」「信頼できない人」と思われてしまいます。

 

ドーパミンやノルアドレナリンの働きが低下していると言われています。

ドーパミンは目的をもって行う行動に重要な役割を果たしていて

ADHDの人の3割はドーパミンの再取り込みが過剰に働いてしまい、

神経伝達がスムーズに行われていないと言われているそうです。

 

4.人の話が聞けない

人の話に集中することが苦手で自分には関係がない、

つまらないと感じると気もそぞろになります。

反対に話したいことが頭に浮かぶと、相手の言葉をさえぎって話し始めてしまったり、

自制が利かず、衝動のままに行動してしまいます。

 

作業記憶が少なく一度にたくさんの情報を処理できないので

長い説明や指示に混乱したり、

人の話を最後まで聞けないことがあり、説明を聞かないまま始めて失敗することもあります。

 

 

5.先延ばしにする

大事な仕事、集中力がいること、時間のかかりそうなことなど手間のかかる仕事にとりかかる時、

なかなか着手できずに先延ばしにする傾向があります。

過集中という特技があるので、そのため妙な自信を持ち「大急ぎでやればなんとかなるだろう」と

楽観的にかまえ、「めんどくさい」「気が乗らない」「まだ時間はある」などと言い訳をし、先延ばしにして

追い込まれ期限ギリギリになり、やっと集中力が発揮されるようになりますが、

いつもうまく運ぶとは限らずさらにうまくいったとしても体に大きな負担をかけてしまいます。

すでに手遅れになることもあります。

脳の報酬系の働きが弱いため、何かを達成する十分な動機付けが得られないという研究もあります。

6.忘れっぽい

いま聞いたことや頼まれたこと忘れてしまうことがあります。

作業記憶の不調が関与していると考えられます。

外出の時に財布や鍵などの必需品を家に置き忘れたり、かばんなどを外出先に忘れくることがあります。

目移りするあまり今何をやっているかを忘れたり、

用事をしながら物をいろんなところに置き、そのまま忘れてしまうことも。

関心や意欲の対象がコロコロ変わるので、作業や仕事はいつまでも終わりません。

これも脳の中の作業記憶の機能に問題があるためと考えられています。

 

 

7.飽きっぽい

デスクワークや単調な仕事が苦手。

刺激や変化の少ない状況が耐えがたく、落ち着きなくそわそわしたり、

仕事を途中で放り出したりします。

ADHDの人は変化や刺激に乏しい単純作業が苦手です。

過集中があるため、短時間集中してこなす仕事は得意ですが、

長期的な仕事になると、途中で気力が途切れてしまい、そのころには

別のことに興味が移ってしまうため、人から『忍耐力がない』『責任感がない』と思われてしまいます。

過集中は長くても一日~数日が限度です。

8.何事にもはまりやすい

欲求をコントロールするのが苦手です。

ほしいと思うものに執着し買い物依存症や、

インターネットやSNSやゲームにはまってやめられなくなる

感情のコントロールが利かずすぐにカッとなることがあり些細なことで、

突然かんしゃくを起こして当たり散らしたりします。

 

こうしたコントロールが利かない背景には、前頭前野の血流低下や、

ドーパミンの減少があるようです。

9.思いついたら実行する

アイデアが豊富な人が多く、多彩なアイデアを湧き上がらせ独創性のある企画力を発揮しますが、

企実行するためのプランを立てたり、計画を練り上げたりすることができません。

「思いついたら実行する」というパターンは得意です。

 

DSM-5における注意欠如・多動性障害の診断基準

不注意症状が(17歳以上では5つ)以上あり、6ヶ月以上にわたって持続している。

①細やかな注意ができず、ケアレスミスをしやすい。

②注意を持続することが困難。

③上の空や注意散漫で、話をきちんと聞けないように見える。

④指示に従えず、宿題などの課題が果たせない。

⑤課題や活動を整理することができない。

⑥精神的努力の持続が必要な課題を嫌う。

⑦課題や活動に必要なものを忘れがちである。

⑧外部からの刺激で注意散漫となりやすい。

⑨日々の活動を忘れがちである。

 

多動性/衝動性の症状が(17歳以上では5つ)以上あり、6ヶ月以上にわたって持続している。

①着席中に、手足をもじもじしたり、そわそわした動きをする。

②着席が期待されている場面で離席する。

③不適切な状況で走り回ったりよじ登ったりする。

④静かに遊んだり余暇を過ごすことができない。

⑤衝動に駆られて突き動かされるような感じがして、

じっとしていることができない。

⑥しゃべりすぎる。

⑦質問が終わる前にうっかり答え始める。

⑧順番待ちが苦手である。

⑨他の人の邪魔をしたり、割り込んだりする。