パーソナリティ障害⑤~パーソナリティ障害の分類と特徴C~
前回までの記事はコチラ↓
パーソナリティ障害④~パーソナリティ障害の分類と特徴B Part2~
第72回 教えてリス太くん
今日はC群を見ていくよ!
パーソナリティ(人格)障害の分類
拒絶されるのを極端に恐れて、人と接することが困難になってしまう回避性タイプや、
自分で判断ができず、常に他人に判断をゆだねてしまう依存性タイプ。
また完璧主義がたたり、自分で自分をがんじがらめにする強迫性タイプなど、
本人が強いストレスを抱えやすいのがC群の特徴です。
【C群に分類される疾患】・・・不安で内向的であることが特徴
・回避性パーソナリティー障害
・依存性パーソナリティー障害
・強迫性パーソナリティー障害
回避性[不安性]パーソナリティ障害 :
自己にまつわる不安や緊張が生じやすいことが特徴
回避性パーソナリティ障害の人は、拒絶に対して過敏で、
新しい対人関係を築いたり何か新しいことを始めたりするのを恐れます。
愛情や受け入れられることに対して強い欲求を抱いているにもかかわらず、
失望や批判を恐れて、親密な人間関係や社会的状況を避ける傾向があります。
統合失調質パーソナリティ障害とは異なり、孤独感や人とうまくかかわれないことについて
率直に悩みます。また、境界性パーソナリティ障害と違って、拒絶に対して怒りを向けるのではなく、
引きこもり、内気で憶病な様子をみせます。回避性パーソナリティ障害は全般的なタイプの社交恐怖に
類似しています(不安障害: 社交恐怖を参照)。
本当は傷つくことや失敗することを恐れるあまり、人と接触したり物事に挑戦することができず、
何もしないことが一番安全だと思っています。どうせ自分にはできない、
どうせ自分は他人から嫌われてしまうと言って否定的な感情を持っており、
不安感や緊張が強くいつもオドオドしています。
両親が過度に批判したり、過保護であったりすることが発症の原因のひとつと考えられています。
「回避性パーソナリティ障害は,傷つきと失敗を恐れるあまり,人と接触したり,
課題にチャレンジしたりすること自体を避けてしまうことを特徴とするパーソナリティ障害です。~」 を参照
依存性パーソナリティー障害、強迫性パーソナリティー障害を参照
依存性パーソナリティ障害:
他者への過度の依存、孤独に耐えられないことが特徴
依存性パーソナリティ障害の人は、大きな決断や責任はいつも他人まかせにし、
自分の欲求より、依存している相手の欲求を優先させます。
自信に欠け、自分のことを自分でする能力について強い不安を感じています。自分には決められない、
何をしたらよいかわからない、どうしたらよいかわからないといった弱音を吐くこともしばしばあります。
このような行動を取る一因として、頼みとする人を怒らせるのが怖いので、
自分の意見を言いたがらないということと、他の人は自分よりも能力があると信じている
ということがあります。
他のパーソナリティ障害の人はしばしば依存性パーソナリティ障害の特性ももっていますが、
より支配的な他のパーソナリティ障害の特性に隠れて目立ちません。
これらのタイプは時に長期間病気の状態が続いていたり、身体障がいを持つ方に
発症することがあります。
強迫性パーソナリティ障害:
融通性がなく、一定の秩序を保つことへの固執(こだわり)が特徴
強迫性パーソナリティ障害の人は秩序、管理といったことにこだわり、完璧主義なところがあります。
信頼でき、頼りになり、きちんとしていて、几帳面である一方、
柔軟性に欠けるため変化にうまく適応できません。
慎重で、1つの問題のあらゆる局面を比較検討するため、決断を下すことが苦手です。
まじめで責任感がありますが、誤りや不完全さに耐えられないため、
仕事を最後まで全うできないことがよくあります。ルールを守ることに極端に固執するため、
周囲の人がそれを守らないことが許せず、摩擦が生じてしまうこともあります。
精神障害の強迫性障害(不安障害: 強迫性障害(OCD)を参照)とは異なり、
強迫性パーソナリティ障害の場合は、自分の意思に反して反復的に想起される
強迫観念や儀式的行為はみられません。
強迫性パーソナリティ障害の人は成績が良かったり高い業績を上げていたりすることが多く、
特に、きちょうめんさや細心の注意が求められる科学など、知的分野の成功者に多くみられます。
しかし、責任に伴う不安に常に悩まされるため、成功してもそれを喜ぶことができません。
自分の感情、人間関係、自分ではコントロールできなかったり人に頼らざるを得ない状況、
予測できない出来事が起こる状況に不快感を感じます。
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