心配や不安から、過剰にやらないと気が済まない「強迫性障害」

今回は強迫性障害について見ていくよ!

 

強迫性障害って?

強迫性障害も不安障害のひとつだよ。
「手を洗ってもきれいになった気がせず、肌荒れするまで洗い続ける」「外出前、何度もガス栓や施錠を確認する」などがあるんだったね。
そう。強迫性障害には、自分では無視・抑制が効かない「強迫観念」というものが背景にあるんだ。
「強迫観念」というのは、手の汚れが気になりすぎる、施錠が心配、などという不安だよね。
うん。それらの強迫観念を打ち消すために、「強迫行為」という、何度も手洗いをしたり、何度も施錠を確認したり、という行為を行うんだ。
ふむふむ。自分でも止めたい・行き過ぎているとわかっていても、不安のほうが強くて止められないんだね。

主な症状

おもな強迫症状としては、汚染の心配から掃除・洗浄を繰り返すもの、攻撃してしまうことへの心配からの確認行為、といったものが挙げられるよ。
何度も手洗いをする、施錠の確認をする、などはここにあてはまるね。
そうそう。次いで、手順など正確性へのこだわりによる確認・儀式行為、ラッキーナンバーなど数字へのこだわり、等も挙げられているよ。
どの強迫症状も、本人は無視したり止めようとしたりしているけど、不安のほうが強いから、抑制や制御が難しいんだよね。
そうなんだ。このため、不安になる状態を極端に回避したり、周囲や家族にも確認や保証を要求したり、ということもあるんだ。

強迫性障害が発症する要因

発症の要因については、実はまだ明確には特定されていないんだ。
なりやすい傾向などはあるのかな?
「強迫性パーソナリティー」と呼ばれる性格傾向があって、これは完璧主義やこだわりなどが極端に強いものだよ。
なるほど。几帳面、まじめ、こだわりが強いなどの性格は確かに関係していそうだね。
ほかには、遺伝や家族的なものも考えられているよ。
親族に強迫性障害の患者さんがいる場合だね。
そうだね。とくに若年層であればその傾向が強いみたい。
家族など周囲の影響も受けやすいもんね、年齢も関係あるかもしれないね。
ほかには、感染症、神経疾患との関連、脳機能なども、要因の可能性があると考えられているよ。

強迫性障害を治療していく

強迫性障害は、薬物療法と、あわせて認知行動療法などの心理療法を組み合わせて治療していくよ。
薬は、抗不安薬や抗うつ薬だよね。
そう! ただし、うつ等ほかの疾患を併発している場合も多くあって、併発している場合は一般的な薬物療法・認知行動療法の組み合わせでは改善が難しいこともあるんだ。
薬も試してみて様子を見ながら変更していくのかな?
そうなんだ。また、効果が出てから1年~2年は、通院・服薬を続けていくよ。

強迫性障害を克服するために

強迫性障害は、本人の性格や、意思が弱いからという原因ではないよ。
服薬や通院は、根気強く続けていこうね!
また、患者さん本人も、止めようと努力していたり、抑制しようとしていたり、努力していることがとても多いんだ。
家族や周囲の人は、強迫性障害への理解を深めて、本人を責めないようにしていこう!
治療を続ければ徐々に改善されていく病。根気強く治療して、気長に見守っていこう!

 

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