コミュニケーションをとりたい! 緘黙症当事者の声
自然に治ると思われていたけど、実は周囲の理解・協力がないと治療が難しい「緘黙症」。今日は当事者の声をいくつか紹介してみようと思うよ!
周囲の理解・協力で緘黙症が改善
周囲の人の協力、逆につらかったことを教えてもらったよ。
サポートのためのヒントにしていきたいね!
助かったと思うエピソード
- 誘ってもらえると嬉しいけど、返事を返せなくて苦しい。
- Yes/Noで反応できる質問をしてもらえたこと。
- きちんと伝わっているということを実感できると、少しずつ話せることも増えた。
- 返事をしても大丈夫なんだ、と安心できた。否定や強制があったら安心はできなかったと思う。
サポートによって話せるようになっていく、ということが多いね!
安心できる環境づくり、というのがやっぱり大事なんだね!
悲しかったエピソード
- 自分が話せないのが嫌で、自ら周りとも距離を置いてしまった。
- 話せなくていじめられていたけど、先生も見て見ぬふり。
- 相談できる相手、頼れる相手がいなかった。
- 「家では話せるんでしょ?」という言葉、「声が小さい」という指摘。
- 「そんな状態のままでいいの?」と言われたこと。
- 発語できたときに「しゃべった!」などと驚かれてしまうと不安になってしまう。
話せないのが辛くて、自責・悲しみといった感情につながってしまうこともあるよ。
理解がないと本人自ら距離をおいてしまって、さらに会話から遠ざかってしまうね。
理解してほしいこと
- 「話さない」という意思があるんじゃなくて、「話せない」んだということを理解してもらえたらと思う。
- 甘えているわけではない、ということ。
- 周りの人たちに関心がないわけじゃないんです。伝えたいこと、話したいことはちゃんとあるんです。みんなが楽しそうに話していると、自分もそうしたいと思います。
本人も、いろいろ考えて、小さなステップで話せるようになっていきたいと思っているよ。
小さなステップを踏める環境を、こちらが整えていけたらいいね!
サポートは連携戦
「大きくなれば自然に治る」「おとなしい子、恥ずかしがりなだけ」と誤解されがちなんだよね。
そう。まず、学校の先生はもちろん、スクールカウンセラーなどに相談しておこう。
過保護だ、などと思われそうだけど、子供が話せない状態なら心配になるのは当然のことだよね。
そうそう! 学校と連携した支援は必須だから、よく話をしておこうね。
それから、お医者さんなどの専門家にも相談が必要だよね。
うん! 発達障害に詳しいクリニック、不安症に詳しい医師がおすすめだよ。ほかにも、発達センター・教育センターには心理士、言語視覚士がいることもあって、そちらもおすすめ!
家庭、専門家、学校とで連携してサポートをしていきたいね。
そういうこと。家庭だけ・学校だけでの解決は難しいし、専門家の治療だけでも解決は難しいよ。学校、家庭、専門家が協力しあってサポートをしていこう!
大人の緘黙症
大人の緘黙症への治療、支援というのはまだ不十分なんだ。
緘黙症自体、すぐ治ると思われがちだから、理解や支援が遅れてしまっているんだね。
そう。「社交不安」「対人恐怖」などに詳しい医師、心理士などに相談するのがいいよ!
十分な理解がある専門家に出会える可能性が高いということだね!
そう! 不安症、恐怖症の根幹に緘黙症があることもあって、理解のある人に出会える可能性があるんだ。
支援、治療のヒントがつかめるかもしれないもんね!
そういうこと! あとは、就労支援センター、ハローワークで仕事の相談をしてみるのもいいよ。
仕事についてもサポートしてもらえたり、他の人の場合のことを聞けたりするよね。
そうそう。最近は障害者雇用枠での就職というのも増えてきているみたい。相談できるところへ行ってみよう!