パーソナリティ障害⑥~治療法~
前回までの記事はコチラ↓
パーソナリティ障害④~パーソナリティ障害の分類と特徴B Part2~
第73回 教えてリス太くん
パーソナリティ障害のA、B、C群と順番にみてきたね
今日は、その治療法をみていくよ!
カウンセリングや行動療法
パーソナリティー障害に悩む方の多くは、長期にわたって治療を行うことになります。
中でも、精神科医や臨床心理士などによって行われるカウンセリングや行動療法などの精神療法は、
患者と治療者が協力し、患者本人が「治したい」と思うことが大切になってくるでしょう。
この病気は、本人が自分の思考や行動に問題があると思っていないので、
その事実を認識させることが必要になってきます。治療者は繰り返しそれを指摘し、
ときには、行動に制限を加えることも必要となります。
また、パーソナリティー障害には家族が影響することも多いため、
家族の介入があると治療に役立ちます。
かつてこの病気は改善せず長期間彼らを苦しめると言われていましたが、
最近では年齢を重ねることによって徐々に軽快することが分かっており、
治療による効果も見られると知られるようになってきました。
薬物療法
パーソナリティー障害は不安や抑うつなど、他の精神障害を引き起こすことがあります。
それらの症状が見られる場合には、そちらを治療するの必要があります。
このとき抗うつ剤や抗不安薬などの薬物療法で対応できるといわれています。
A群は奇妙で風変わりな行動、B群は演技的で移り気な行動、
そしてC群は不安や抑制を伴う行動を特徴とします。
その他のパーソナリティタイプ
パーソナリティのタイプには障害として分類されていないものもあります。
受動-攻撃性(拒絶症的)パーソナリティ:
受動-攻撃性パーソナリティの人の行動は、不器用そうであったり、消極的にみえます。
しかしこれらの行動は、実際には責任を逃れる、あるいは人を操ったり罰したりするためのものです。
ぐずぐずしたり非効率的に仕事をしたり、とても信じがたい事情を主張することがよくあります。
実行に同意しながらも、自分のやりたくない仕事があると、密かにその仕事の完了を遅らせることが
頻繁にみられます。
通常こうした行動は、敵意や意見の相違を否定したり隠したりする役目を果たします。
循環気質性パーソナリティ:
循環気質性パーソナリティの人は、威勢の良い快活さと陰うつな悲観が交互にみられます。
それぞれの気分は数週間ないしそれ以上続きます。
気分変動は規則的で、はっきりとした外的な原因がなくても起こります。
多くの才能ある創造的な人々にこのパーソナリティタイプがみられます(気分障害: 気分循環性障害 )。
抑うつ性パーソナリティ:
このパーソナリティタイプは慢性的に不機嫌、心配性で自意識が強いという特徴があります。
抑うつ性人格の人は悲観的なものの見方をし、それが本人の自主性を損ない、
人の気分を滅入らせてしまいます。
また、満足感が得られたとしても、それが不当で罪深いもののように感じられます。
抑うつ性人格の人は自身の苦悩が、他人の愛や賞賛を得るために
必要な功徳の印であると無意識のうちに信じています。
診断
パーソナリティ障害は既往歴、特に繰り返し現れる不適応的な思考や
行動のパターンに基づいて診断されます。
パーソナリティ障害がある人は、行動の結果が思わしくない場合にも
そのパターンを頑強に変えようとしないため、
パターンが明らかになりやすい傾向にあります。
また心理的な対処メカニズムの使い方が未熟で適応できていないことも医師は気づきやすく、
それは患者の日常生活にも支障を来します。
診断には、患者とかかわりのある人から話を聞くこともあります。